完成記念式典で愛称決定地形を生かした大規模走路悔しさバネに成長IPU柔道、世界へ羽ばたく足立美翔全日本学生柔道団体大学スポーツの金金銀ジュニア国際V朝トレーニングでは、新たに整備されたランニングパークの傾斜を利用し、足腰の強化を図った子48㌔級におい6月28日〜29日に東京・日本武道館で行われた「2025年度全日本学生柔道優勝大会」において、体重別5人制の女子1部でIPUが2年ぶり4度目の優勝を飾り、準優勝に終わった前回大会の雪辱を果たした。王座奪還をスローガンに掲げて臨んだ今大会だったが、主将の石岡来望さん(4年・創志学園高出身)が大会前に下肢を負傷。万全とはいえない状態で、1回戦は早稲田大に2―1、2回戦は淑徳大に3―1と、苦しみながらも勝ち上がった。さらに、龍谷大との準々決勝は先鋒から大将まで5人全員が引き分ける大接戦に。代表戦にもつれ込むという、手に汗握る展開となった。決勝では、準決勝で前回優勝の東海大を破って勢いにのる明治国際医療大と対戦。先鋒の荒川清楓さん(3年・創志学園高出身)と、次鋒の山下明純さん(2年・愛媛県立宇和島東高出身)が引き分けとなり、中堅の前田凛さん(2年・比叡山高出身)が合わせ技で一本勝ちを奪われるという苦しい展開に。しかし、続く副将戦で石岡さんが有効を奪い同点に追いつくと、大将戦では、椋木美希さん(4年・創志学園高出身)が小外刈で一本勝ち。最終スコア2―1で勝利をつかみ取った。矢野智彦監督は「競る展開になることを想定して、試合状況を想定した組み手・展開練習を積み重ねてきた。緊張感のある局面で落ち着いて戦えたのは、日々の準備の成果」と大会を振り返った。優秀選手賞を受賞した椋木さんは「自分の試合で1点を取れた時は、やっとチームに貢献できたと思い、感極まった」とコメント。また石岡さんは「チーム全体として、明るく前向きに取り組めたことが大きかった。これからも感謝の気持ちを忘れずに、個人としてもチームとしても成長し、2冠達成に向けて努力していきたい」と周りへの感謝を述べた。矢野監督は「IPUの最大の強みは、アスリートのすぐそばに、科学と教育と人の支援があること。選手を中心に据え、スタッフ全員が同じ目標に向かって支え合うチームであることを、今回の優勝を通して改めて実感した。今後も、組み手の設計から展開戦術、コンディショニングやリカバリーまで、大学の総合的なサポートを生かしながら全階級を強化していきたい」と展望を語った。6月13日〜20日にハンガリー・ブダペストで開催された「2025年世界柔道選手権大会」にて、IPU卒業生の田中志歩選手(JR東日本・聖光高出身)、で制した。IPU女子柔道部の矢野監督は「二人の世界一は、在学生たちにも大きな勇気を与えてくれた」とコメント。卒業生の華々しい活躍が、部の士気向上につながっている。て優勝を果たした。初戦を一本勝ちで突破すると、その後も順調に勝ち上がった。決勝戦ではゴールデンスコアで内股を決めて一本勝ち。世界に強さを見せつけた。また、椋木美希さん(4年・創志学園高出身)は3月の「グランプリ・アッパーオーストリア」女子78㌔超級で3位入賞。タイ・バンコクで行われた「2025年アジア柔道選手権大会」の団体にも日本代表として出場し、優勝した。さらに、椋木さんとている下り坂トレーニング”の専用走路として、最大疾走速度の向上や下肢筋力向上のために利用される。さらに、敷地全体を縫うように設置された「クロスカントリーコース」は、路面に足腰へのダメージが小さい真砂土を採用。棚田であった土地の形状を生かした適度な勾配を含む、幅2㍍から4㍍のコースは集団でのランニングも可能。スタミナ養成の拠点となる。7月8日には、「IPUランニングパーク」の落成式が開催され、体育会の監督・コーチや地元町内会の方など、約100名が出席。学生アスリートのための新施設の完成を祝った。施設には、1975年から約半世紀にわたって岡山駅前のシンボルとして親しまれてきた「ピーコック噴水」がオブジェとして移設された。夜にはライトアップされ、幻想的な姿を見せる。式典では、施設誕生を記念してパークの愛称を学内公募した結果、277件の応募の中から 「ピーコック」に決定したことも発表された。施設を企画した陸上競技部の吉岡利貢コーチは「大学設置のクロスカントリー型のランニングフィールドとしては国内最大級。日本中から若者が集まり世界へ羽ばたいていく、そんな場所にしたい」と今同施設への思いを語った。セントで6レーンある走路」は、パワーの向上やスプリント動作の習得に有効と考えられている上り坂ダッシュ”の専用走路。スピード養成の拠点となる。一方、「ダウンヒルスプリント走路」は、傾斜3パーセントの真砂土の走路。ブレーキをかける硬いバネのような脚づくりや、脚を前に引き戻す筋力づくりに効果的と考えられある、約25㌶の耕作放棄地を活用した施設で、「アップヒルスプリント“““ 走り”に特化したトレーニングを行える。望のオープンとなった。最大の特徴は、世界でも類を見ない全長200㍍のウレタン舗装の傾斜走路。斜度5パー今春、学生アスリートの新拠点「IPUランニングパーク」が誕生した。IPUのスポーツ科学の研究拠点「INSPIRE」から南西に100㍍の場所に前田凛さん(2年・比叡山高出身)は7月の「FISUワールドユニバーシティゲームズ(WUG)」にも出場。前田さんは優勝、椋木さんは準優勝したほか、共に出場した団体戦でも優勝するなど、世界の強豪選手を相手に輝かしい結果を残した。今後の活躍にも要注目だ。嘉重春樺選手(ブイ・テクノロジー・東大阪大学敬愛高出身)が、それぞれ女子70㌔級、女子63㌔級で金メダルを獲得。世界大会で卒業生の同時優勝という快挙を成し遂げた。田中選手は、IPU在学中から全国大会で安定した成績を残し、女子柔道部をけん引してきた実力者だ。決勝ではゴールデンスコアに突入する熱戦の末、大外落で勝利。幾度となく世界の頂点に届きそうで届かなかった彼女にとって、悲願の初優勝となった。また、嘉重選手も在学中は田中さんとともに日々稽古に励み、互いに切磋琢磨してきた。黙々と稽古に打ち込む姿は、今も後輩たちの記憶に残っている。今大会では初出場ながら5試合中4試合を寝技で一本勝ち。決勝も持ち味を存分に発揮し、崩袈裟固による技あり5月31日〜6月1日、オーストリア・ウィーンで開催された「2025年オーストリアジュニア国際大会」に、足立美翔さん(2“オリンピック”年・比叡山高出身)が出場。女写真:柔道専門メディアeJudo足立さん(青)前田さん(左) 椋木さん(右)田中さん足立さん椋木さん(青)写真:毎日新聞社/アフロ前田さん(白)嘉重さん13年の構想を経て、待発行 IPU・環太平洋大学(岡山県岡山市東区瀬戸町観音寺721)https://ipu-japan.ac.jp/VS早稲田大学 2-12回戦VS淑徳大学 3-1準々決勝VS龍谷大学 1-0 (代表戦)準決勝VS筑波大学 2-0決勝VS明治国際医療大学 2-1無差別椋木美希(4年・創志学園高出身)無差別川崎愛乃(3年・富士学苑高出身)70kg以下石岡来望(4年・創志学園高出身)70kg以下前田凛(2年・比叡山高出身)70kg以下川嶋海来(4年・比叡山高出身)57kg以下山下明純(2年・愛媛県立宇和島東高出身)57kg以下松浦心香(1年・美濃加茂高出身)57kg以下荒川清楓(3年・創志学園高出身)戦評1回戦出場メンバー女子柔道環太平洋大学スポーツ新聞2025年第4号田中志歩・嘉重春樺Wで世界一進化する進化する進化する“勝てる環境”“勝てる環境”“勝てる環境”完成ランニングパークランニングパーク奪王奪王還座還座日日本本一一
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