はじめに

IPU・環太平洋大学では、全学科における教養科目の必修科目としてコンピュータリテラシーI・IIを設けています。更にICT,AI,DXへの対応教育科目として、体育学部は「スポーツデータサイエンス入門」、経済経営学部は「データサイエンス入門」を設け、次世代教育学部は上記2科目を他学科履修で修得が可能である。

nbsp;本学に2007年度に設置した次世代情報センターを中心に、教育内容を纏め、本申請を行うとともに、IPUの特徴を踏まえ、全学的かつ段階的なカリキュラム整備充実を今後も持続させて、Society5.0とAI・ICT・DX社会に適応できる文系四大生を育成し社会へ送り出すことを目的としています。

背景

「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」は、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度実施要綱」(令和3年2月24日文部科学大臣決定)に基づき、学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高め、それを適切に理解し活用する基礎的な能力(リテラシーレベル)や、課題を解決するための実践的な能力(応用基礎レベル)を育成するため、数理・データサイエンス・AIに関する知識及び技術について体系的な教育を行う大学等の正規の課程(教育プログラム)を文部科学大臣が認定及び選定して奨励するものです。

  • 小中学校でのプログラミング教育の実施、高等学校における「情報Ⅰ」の必修化
  • 生成AIなどの技術の進展により、社会から求められる知識・スキルの増加や変化が生じている
  • 行政・企業などのDX化が更に進むことで、デジタルに関する基礎的な
    知識に加え、文系・理系を問わず社会での活用を見据えた実践力を備えた人材への需要が高まる


大学における数理・データサイエンス・AIに関する基礎的な能力及び実践的な能力を有する人材育成への期待が高まっている。最新技術についても活用法やリスクなど基礎的な理解が求められ、学生が自分事として学ぶための工夫や社会との繋がりを意識した教育がより重要となっている。

(文部科学省令和6年度数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムより)

「身につけられる能力」

数理・データサイエンス・AI社会で求められる基礎と、活用にあたっての様々な留意事項を身につけ、ICT機器を適正に利活用して、ディプロマポリシーに合わせたデータを的確に生成・分析・伝達するための基本的なスキルを修得することができるようになる。

修了要件

  1. 体育学部
  2. 全学必修科目である、「コンピュータリテラシーI」・「コンピュータリテラシーII」の4単位を取得すること。更に、体育学部は「スポーツデータサイエンス入門」の2単位を取得すること。ただし、健康科学科は、他学科履修にて「スポーツデータサイエンス入門」の2単位を取得すること。

  3. 経済経営学部
  4. 全学必修科目である、「コンピュータリテラシーI」・「コンピュータリテラシーII」の4単位を取得すること。更に、経済経営学部は「データサイエンス入門」の2単位を取得すること。

  5. 次世代教育学部
  6. 全学必修科目である、「コンピュータリテラシーI」・「コンピュータリテラシーII」の4単位を取得すること。更に、次世代教育学部は他学科履修で「スポーツデータサイエンス入門」「データサイエンス入門」のいずれか2単位を取得すること。

教育プログラムの授業内容

コンピュータリテラシーⅠ

モデルカリキュラム カリキュラム対応箇所
1-1.社会で起きている変化
1-2. 社会で活用されているデータ
1-6.データ・AI利活用の最新動向
2-2.データを説明する
3-2.データを守る上での留意事項
現在進行中の社会変化、クラウドコンピューティングの現状を理解し、社会で利用されているデータと、データを守るうえでの留意点を理解する。
実データ・実課題を用いてデータのフレームワークやスキーム図の作成のデータの見える化の演習を行いスキルを身に着ける。
数理・データサイエンス・AIは、現在進行中の社会変化 (第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会等) に深く寄与しているものであること また、それが自らの生活と密接に結びついているものであること。
対象とする 「社会で活用されているデータ」や 「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を 解決する有用なツールになり得ること。
実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンスAIの基本的な活用法に関すること。

コンピュータリテラシーⅠ シラバス

コンピュータリテラシーⅡ

モデルカリキュラム カリキュラム対応箇所
1-3.データ・AIの活用領域
1-4. データ・AI利活用のための技術
1-5.データ・AI利活用の現場
2-1.データを読む
2-3.データを扱う
3-1.データ・AIを扱う上での留意事項
社会でのデータ・AIの扱われ方活用領域を学び、データ・AIを扱う上での留意点(ELSI、個人情報保護、セキュリティ等)を考察する。
実データ・実課題を用いてデータの数理的な演習を行いスキルを身に着ける。
数理・データサイエンス・AIは様々な適用領域の知見と組み合わせることで価値を創出するものである。
ただし数理・データサイエンス・AIは万能ではなく、その活用に当たっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮することが重要であること。

対象とする 「社会で活用されているデータ」や 「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得ること。
実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンスAIの基本的な活用法に関すること。

コンピュータリテラシーⅡ シラバス

データサイエンス入門

モデルカリキュラム カリキュラム対応箇所
2-1.データの種類、データの分布と代表値
2-2.データ表現・データの比較
2-3.データの取得・データの集計(和、平均)・データの並び替え
実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの
急速に進展しているデジタル社会ではデータサイエンス・AI の能力がビジネスにおいても必須となってきている。データサイエンスの能力とは、データを分析し、その結果を読み取る能力である。
そのような必須の能力を身につけるための基礎的なスキルを身につけることが本講義の目的である。

データサイエンス入門 シラバス

スポーツデータサイエンス入門

モデルカリキュラム カリキュラム対応箇所
1-3.データ・AIの活用領域
1-5.データサイエンスのサイクル・AI利活用事例紹介
1-6.AI最新技術の活用例
2-1.データの種類、データの分布と代表値、データのばらつき
2-2.データ表現・データの比較
2-3.データの取得・データの集計(和、平均)・データの並び替え、ランキング

実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの
データサイエンスとは,「データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチのこと」であり,統計学や データ・AI・情報工学の知識を扱い,データを価値のあるものへと導いていく.本授業では,その⼊門として,スポーツデータの種類に応じて適切なデータの扱い方や,視覚化の方法を学ぶ.そして,身近なデータやグラフからその成り⽴ちや仕組みについて理解できるようになることを目指す科目である.

スポーツデータサイエンス入門 シラバス

教育の質・履修者数を向上させるための体制・計画について

体制の目的

 本学では、今日の進展がめざましい情報通信技術の分野およびデジタル技術科学分野において、その成果を高度に活用し、様々な産業やビジネス分野で効果的に利活用できる人材の育成を目指す。
 次世代情報センターは、情報ネットワークに関する専門的業務を行い、情報を広く教育、研究に活用することを図ることを目的とする。さらに、国内外の教育・研究機関・企業等と連携協力しながら先端の教育体制に関する研究を推進するとともに、その研究成果を実教育に還元し、データを活用し現代社会の課題を発見、解決できる人材を育成することも目的とする。
 同センターは、本学学長の下に、数理・データサイエンス・AI教育の全学的な普及を視野に置き、学内の異なる分野の学部との横断的なカリキュラムの研究開発を行うとともに、各学部・学科と連携して関連科目の整備・新設を行い、体育系・経済経営系・教育系大学として将来のDX社会に活躍できる人材教育を実現して行く。

履修者数・履修率の向上に向けた計画

令和5年
度実績
令和6年
度予定
令和7年
度予定
令和8年
度予定
令和9年
度予定
53% 60% 70% 80% 85%
収容定員 2,200名

 本プログラムに関し、体育学部・経済経営学部では「コンピュータリテラシーⅠ」「コンピュータリテラシーⅡ」が教養科目の必修科目であり、基本的に全員が履修する。さらに本プログラムの選択科目の「スポーツデータサイエンス入門(体育学部)」、「データサイエンス入門(経済経営学部)」の履修者数と履修率が現在のデータとなるが、同時に本申請プログラムの主旨に沿って全学的な構成科目の改善と実質化を段階的に進めており、全学的な協力のもと、科目名変更、新設、演習科目などの実質化、既設数理・ICT関連科目の全学的履修可能への科目変更などカリキュラムとシラバスの段階的充実を図り、履修者数・履修率の目標値を達成する予定である。

学部・学科に関係なく希望する学生全員が受講可能となるような必要な体制・取組等

 全学的な協力のもとで、体育学部・経済経営学部で整備されてきた数理・データサイエンス・AI・ICT関連の教育コンテンツ、および本申請プログラムの最適化に向け、全学的な教育、座学・演習内容の見直し、および全学学生の受講(他学部・他学科受講制度の活用)が可能となるシステムの構築支援を令和5年度より段階的に開始している。具体的には令和5年度よりさらに、両学部必修科目・選択科目の最適配置、全学共通教養科目に相当する本申請プログラム関連の演習科目設置やオンデマンド教材開発などを進め、希望する学生全員が受講可能となる体制を整備して行く。さらに、先端的なICTを活用する教育プログラムや教材の開発、国内外の他機関との連携、地域・産学連携も含め、DX社会に関するシンポジウム等を通して、学生の進路とDX社会の密接な関係性と興味を啓発する。

できる限り多くの学生が履修できるような具体的な周知方法・取組

 環太平洋大学では入学予定者に対する入学前教育を実施して、本学教育プログラムの周知徹底を図っている。本申請プログラムに関連するPC機器の必携化、ICT、情報リテラシープログラム入門等の入学前教育を一層充実させている。また入学後のガイダンス、オリエンテーションや両学部授業開始時などにおいて新入生に広く周知させる体制を構築した。今年度からは段階的に入学後のガイダンスやSNSなどを利用した周知、また本学HPのトップ画面に本申請プログラム専用ページへのリンクを掲載し、周知方法の最適化に取り組む。さらに次年度以降本申
請プログラムに関連する内容として、履修学生の感想や関連進路などを順次発信し、最新のDXとやAI・データサイエンスの進展と社会への実装状況を発信して、体育・経済経営系の学生が現代社会と教育プログラムとの関連情報を受け取り、身近に感じられるような環境を整備する。

できる限り多くの学生が履修・修得できるようなサポート体制

 本学が開学から実施している総合教育成果(教育とスポーツの融合)の蓄積に基づき、体育学部・経済経営学部の両学部の教育研究活動や運営、教養教育プログラム、情報システム課と密に連携し、大学内のLMSやオンデマンド・アーカイブ教育試行等、できる限り多くの学生が
履修・習得できるようなサポート体制確立を試みている。特に、体育学部、経済経営学部の専門性とカリキュラムの特徴を踏まえ、体育・経済経営系学生への数理・データサイエンス・AIの先端的利活用に関して、分かりやすく、取り組みやすい座学・演習の研究開発を行っている。今後もさらに現代DX社会の要請に答え、最適の教育・学生サポート体制を構築してゆく。4年制大学の1~2年次という教養教育全般のもと、本教育プログラムの横串を全学に通し、できる限り多くの学生への学修の機会を設けて、各自の専門に対する興味と直結するDX社会への対応スキルを身につけることを目指し、教育研究開発を続けている。

授業時間内外で学習指導、質問を受け付ける具体的な仕組み

 本教育プログラムの履修に関しては、ハイブリッド型授業の実施に際してLMSシステムを利用して全学生にGoogleシステムによるメールアドレスを付与し、Google classroom等のアプリケーションを利活用した授業体系を構築している。 このアプリ利用システムを充分に活用し、学生の出欠、資料の作成配布、授業の実施とその感想、授業時間内外の質問の受付、さらに各授業における学生アンケート集計等をシステム化している。現在、体育学部・経済経営学部の学生に関して本プログラム実施の各授業に対する演習やレポート・アンケート等を集め、本教育シ
ステムの内容向上に反映させている。今後は授業・演習の実施画像・動画等のアーカイビングと、学生のQ&A集やインタビュー画像・動画なども充実させて行く。

自己点検・評価