女子バレーボール部の山地梨菜選手が、Vリーグ1部の埼玉上尾メディックスと契約。在学のまま、国内最高峰リーグでプレーすることが決まりました。2023年2月にはチームに合流し、3月末までのリーグ戦、勝ち進めば4月のファイナルステージまで参戦する予定です。
日本代表を上回る最高到達点を武器に!
山地梨菜選手
Vリーグ1部 埼玉上尾メディックス 所属
体育学部体育学科2年、香川県立志度高等学校出身
女子バレー部 ポジション:ウィングスパイカー
山地選手は、現日本代表の平均(約295㎝)を上回る、最高到達点305㎝という高さが武器のアウトサイドヒッターです。昨年11月の全日本インカレ1回戦では、ネットの上から相手コートを突き刺すような鋭角なスパイクを何度も決め、29回の優勝を誇る日本体育大学を苦しめました。試合はセットカウント1ー3で敗れましたが、Vリーグ内定選手3人をスタメンにそろえる対戦校を相手に、ギリギリまで追い込む立役者となりました。IPU・環太平洋大学の坂本博秋監督は「体が大きい上に、瞬発力も、パワーもあって、ジャンプ力もある。今すぐ日本代表に入ってもおかしくない素材」と絶賛します。
IPU進学がバレーボール人生の転機に
―高校卒業後は専門学校に進学して、看護師になろうと思っていました。
山地選手がバレーボールを始めたのは小学3年生のころでした。中学ではJOC全国都道府県対抗中学バレーボール大会の香川選抜、高校では全日本ジュニアオールスタードリームマッチのメンバーに選ばれています。それでも当時は高校のチームが全国大会出場などの結果を残せなかったこともあり、看護師になるための専門学校進学を考えていました。
そんな時に、以前から山地選手の素質に目をつけていた坂本監督から「やめるのはもったいない。これからだ」と、環太平洋大学への入学を誘われ「それなら挑戦してみよう!」と進路を変更しました。入学直後からスタメンに抜擢されると、メキメキと頭角を表し、大学2年の夏には西日本選抜のサマーリーグに参加。秋の中国大学リーグではチームの初優勝に貢献、最優秀選手賞(MVP)も獲得しました。
入学後の筋力トレーニングやジャンプトレーニングで体重が10㎏減少、最高到達点も290㎝から一気に15㎝も伸びました。今では地上305㎝のバスケットボールのリングを完全につかめるため、「本人は遠慮して最高到達点を申告していますが、本当はもっと高いはですよ」と坂本監督はいいます。
新たな環境でより高みを目指す
サマーリーグの試合で山地選手のプレーを見た埼玉上尾メディックスの関係者が、すぐに直後の練習参加に彼女を招待。全日本インカレ後に、契約の話が進みました。今回の契約は半年で、2月からの今季のVリーグ後半戦で活躍できれば、再び大学3年生のシーズン終了後から、半年契約を結ぶ予定です。山地選手は「大学生よりさらにブロックが高くなると思いますので、その高さに負けないスパイクを打っていきたい」と力強く話します。
坂本監督は「レベルの高いところでプレーすることで、山地の成長にもつながりますが、次に彼女が大学に戻ってきた時に、ほかの生徒たちが受ける刺激も大きいはず。もちろん大学生なので、学業を疎かにせず両立しながら、日本のバレー界に貢献してほしいと考えています。今回の取り組みでいろんな効果が生まれることを期待をしています」と話します。「小さい頃から元日本代表の木村沙織さんに憧れてきました。サーブも、レシーブも、スパイクも全部できる木村さんのようになりたい」と山地選手は意気込みを語ります。
大学生のまま、火の鳥のように〝NIPPON〟まで駆け上がれるか、楽しみは尽きません。