【中距離】
9月6日から9日にかけて、等々力陸上競技場(川崎市)で開催された「天皇賜盃第87回日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)」の3日目、男子800mに出場した郷田渉(体育2・如水館)は準決勝で自己記録を更新、あと一歩で決勝進出に迫る大健闘を見せました。
予選1組に登場した郷田、序盤こそ動きに堅さが見られましたが、4番手で400mを通過すると、600m過ぎには一気にペースアップ。先頭に立って最後の直線に入った時点で、集団は予選通過が自動的に決定する3名に絞られていました。その後も危なげない走りで1着とほぼ同着の2着でフィニッシュ。持ち記録では組6番手ながら、悠々、予選通過を果たしました。
「決勝進出も不可能ではない」との手応えを得て臨んだ準決勝。郷田は、ハイペースで飛ばす先頭からやや距離を置いた5名からなる2位集団でレースを進めました。順調にレースを進めているかに思われた郷田でしたが、500m付近で、突如、前の4名からわずかに距離を開けられてしまいます。レースを見守るチームメイトが「まずい」と思った直後、無理やりの前傾姿勢で勢いづいた郷田はぐんぐんと加速し、再び5名の先頭集団に食い込みました。その後も必死の走りを続ける郷田、自動的に決勝進出が決まる2名のわずか後方、タイムで拾われる可能性を残す2名を争う集団の中で必死にもがきましたが、その2名からわずか0.09秒差、組5着でのフィニッシュとなりました。
この時点で決勝進出の可能性がなくなった郷田でしたが、フィニッシュタイムは1分51秒24。自身初の全国大会で、見事に自己記録、そして環太平洋大学記録を更新しました。また、残りの2組のタイムも伸びず、終わってみれば決勝進出に0.09秒と迫る結果に。
この結果を受けた郷田は「トップクラスの選手達との力の差を痛感させられた一方で、決勝まであと一歩のところまで迫れたことは、来年に向けての自信になりました」と来年への展望を語りました。決勝進出こそならなかったものの、そのレベルに肉薄したこと、そして強風が吹き荒れる悪コンディションの中での自己記録を更新したことで、今後のますますの活躍に期待が膨らみます。