前田陽向が、63年ぶりにU20日本記録を更新! MDC兵庫大会

10月15日に、ユニバー記念競技場(兵庫県神戸市)で開催された「TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT in HYOGO」のエリート男子1000mで、前田陽向(体育1・洛南)が2分20秒50のU20日本新記録をマークし、2位に入りました。この記録は、今季世界ランク22位、U20世界ランク2位の好記録で、1959年に渡辺国昭さん(当時、中大)がマークした2分22秒8(手動)を63年ぶりに更新するものでした。

福島、東京で行われた予選を突破した選手に出場権が与えられ、優勝者には100万円の賞金が準備されたこのレース。800mで日本ランキング17位、1500mで43位と、持ち記録では分が悪い前田でしたが、日本グランプリシリーズ新潟大会の800mで2位に入るなど、好調を維持して今大会を迎えました。

レースは、序盤、藤谷将希選手(宝塚市陸協)が先導し、400mを54秒80で通過。前田は、800m今季日本ランク1位の薄田健太郎選手をマークし、集団の後方からスタート。400mを55秒77で通過すると、徐々に順位を上げる薄田選手を追走し、600m過ぎからは3番手でレースを進めました。

しかし800m手前、それまで先頭を走っていたグエム・アブラハム選手(阿見AC)の横に並んだ薄田選手との間にわずかな差ができてしまいました。前田は、なんとかその差を維持しながら追走、最後の直線での逆転を狙いましたが、薄田選手との距離はじわじわと広がり始めます。最後の200mを28秒17で駆け抜けた薄田選手は小林史和さん(当時、NTN)の持つ日本記録を1秒近く更新する1分18秒69をマーク、前田は29秒52とペースダウンし、惜しくも2位に終わりました。

先頭は、1500mの南スーダン記録保持者であるグエム・アブラハム選手、2番手が薄田選手


レース後、悔しさをにじませた前田でしたが、U20日本記録の更新が会場に告げられると、会場に集まったたくさんの中距離ファンから大歓声で祝福されました。大学1年生にして国内トップクラスの選手たちを抑えての2位、そして従来の日本記録に迫る好記録に、来年以降の飛躍を期待せずにはいられません。この日の1000mでのU20日本新記録をステップに、次は800mでの日本記録更新、そして世界進出を目指します。

悔しそうな表情でインタビューに答える前田


<前田陽向・U20日本新記録の通過記録>
200m 28秒18
400m 55秒77(27秒59)
600m 1分23秒64(27秒87)
800m 1分50秒98(27秒34)
1000m 2分20秒50(29秒52)

※ 写真提供:宮下亜弓氏

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