【競技スポーツ科学科】 アスリートを支えるスポーツサイエンティストコースの学生たちvol.11〜羽山 温音さん(特別取材)〜
体育学部競技スポーツ科学科のスポーツサイエンティストコースでは、トップレベルのスポーツ現場で「支える人」として活躍できる人材を育成します。
例えば、高度な科学的分析を行うサイエンティスト、ゲーム分析やトラッキングデータを分析するアナリスト、データを利用し科学的根拠に基づくサポートを行うトレーナー、コーチ、マネージャーなどスポーツ現場には多彩な役割が存在します。
本コースでは、競技やスポーツ科学に関する知識と方法を体系的に学び、選手・チームの可能性を最大限に引き出す力を養います。
体育学部競技スポーツ科学科のスポーツサイエンティストコースでは、トップレベルのスポーツ現場で「支える人」として活躍できる人材を育成します。
例えば、高度な科学的分析を行うサイエンティスト、ゲーム分析やトラッキングデータを分析するアナリスト、データを利用し科学的根拠に基づくサポートを行うトレーナー、コーチ、マネージャーなどスポーツ現場には多彩な役割が存在します。
本コースでは、競技やスポーツ科学に関する知識と方法を体系的に学び、選手・チームの可能性を最大限に引き出す力を養います。
トップアスリートやプロスポーツを
「支える」ってどんな役割がある?

アナリスト
試合練習の映像やトラッキングデータを分析し、戦術や選手の動きの改善点を明確にする役割を担います。チームの戦略立案に不可欠な存在です。
Special Close Coverage

勝利を『設計する』 分析官にして学生ヘッドコーチ
世代別日本代表テクニカルスタッフへ
羽山 温音
Haruto Hayama
Personal History
サンフレッチェ広島の元日本代表GK下田崇氏に憧れ小学校3年生からGKとしてサッカーに打ち込む。親の仕事の都合もあり、メキシコに留学。
中学時代は、強豪チーム・クラブレオンのジュニアユースで2年間プレー。中学3年の時、日本に帰国。
広島県の崇徳高校でプレーし、3年生の時のインターハイ広島県予選で決勝まで進出。広島県選抜のGKに選ばれる。
IPUに入学。先輩からの言葉を参考に試合動画の分析をスタート。選手からアナリストへの転向を決意し、知識や技術をつけるために奮闘。
学生主体のチームづくりを目指し、新人戦からトップチームのヘッドコーチとして指揮をとる。就任以降、リーグ戦無敗を達成。部活とは別に世代別代表のテクニカルスタッフとしても活動に帯同し、経験をつむ。
- U-17日本代表 【HiFA平和祈念 2024 Balcom BMW CUP広島国際ユース】
- U-23日本代表 【AFC U23アジアカップ サウジアラビア 2026™】
- U-22日本代表 【国際親善試合 イングランド遠征】 他
Special Close Coverage

勝利を『設計する』 分析官にして学生ヘッドコーチ
世代別日本代表テクニカルスタッフへ
羽山 温音
Haruto Hayama
Personal History
サンフレッチェ広島の元日本代表GK下田崇氏に憧れ小学校3年生からGKとしてサッカーに打ち込む。親の仕事の都合もあり、メキシコに留学。
中学時代は、強豪チーム・クラブレオンのジュニアユースで2年間プレー。中学3年の時、日本に帰国。
広島県の崇徳高校でプレーし、3年生の時のインターハイ広島県予選で決勝まで進出。広島県選抜のGKに選ばれる。
IPUに入学。先輩からの言葉を参考に試合動画の分析をスタート。選手からアナリストへの転向を決意し、知識や技術をつけるために奮闘。
学生主体のチームづくりを目指し、新人戦からトップチームのヘッドコーチとして指揮をとる。就任以降、リーグ戦無敗を達成。部活とは別に世代別代表のテクニカルスタッフとしても活動に帯同し、経験をつむ。
- U-17日本代表
【HiFA平和祈念 2024 Balcom BMW CUP広島国際ユース】 - U-23日本代表
【AFC U23アジアカップ サウジアラビア 2026™】 - U-22日本代表
【国際親善試合 イングランド遠征】 他
Interview
リーグ戦無敗優勝を支えた若き指揮官。その緻密な戦略と、情熱の源泉に迫る
——まず、学生アナリストとして活動のスタートを教えてください。
きっかけは、1年次の5月。試合前に、先輩から「セットプレーを組んでみて」と言われたことでした。当時は、トップチームで選手登録してもらったんですが、正GKの先輩もいて、自分は試合には出られてなかったんです。チームのためになるなら何でもやってみようと思いました。

その1週間後、天皇杯の試合で前泊した時のことなんですけど、夜21時頃チームミーティングが終わって、部屋に戻って寝ようとした時に、『なんか俺、5000円も払って宿泊してここ(県外の試合会場)まで来ているのにチームの為に何もできていないな』と感じたんです。(明日対戦する)相手チームの映像を観てみようかなと思い検索しました。
試合映像を観ていると、面白いセットプレーをしていることに気づいたんです。同じセットプレーを試合でされた時に失点しないためにはチームに伝えた方がいいと思いました。そこから、23時ぐらいまでずっと映像を観てスクショを撮るのを繰り返しました。夜中コンビニまで歩いて行きプリントアウトしておいたんです。
翌朝、試合前のウォーミングアップが終わったロッカールームは、緊張感が漂っていました。
『今だ』と思って、「ちょっと聞いてください!」と言って手を挙げて…。「相手のセットプレーはこんな感じでくるから、マークはこう付きましょう」って言うと、みんなの反応が良くて雰囲気が変わりました。そこで初めてアクションを起こせたと感じたんです。
——なるほど。その試合では勝てた?

はい、JFL所属のチームを相手に創部初の天皇杯初戦突破でした。2回戦では、優勝したヴァンフォーレ甲府にあたったんですが対策をしていたセットプレーで先制点を決められて負けたことが悔しくて…。ただ、反対にIPUのコーナーキックでは、ポストにはじかれた惜しいシーンが何度かあって手応えも感じました。その時、『じゃあ本気でアナリストをやってやろう』という気持ちになりました。選手としてチャレンジするために入学したので、正直に言うと未練はありました。でも、将来のことを考えた時に、アナリストの道を選んだほうが、自分にとってはプラスになると思ったんです。

——具体的にどんなことをしていたんですか?
始めたばかりの頃は、まずGPSを使った選手の走行距離、スプリント数の管理と、ボールタッチ回数のカウント(主に手作業)をつけていきました。あとは、ゴール確率の高いセットプレーの考案、対戦相手チームのスカウティング(戦力分析)がアナリストとしての仕事です。
——そういったデータ収集や分析はどうやって覚えたんですか?始めからできるもの?
いえ、分析を始めた当初は右も左もわかりませんでした。疑問点があれば、専門家の連絡先を自分で調べてzoomで教えてもらったりもしました。これまでFC岐阜やFC徳島でセットプレーの指導に携わり、現在はセットプレーアドバイザーをされている山内智裕さんには、大変お世話になりました。

アナリストとしてスキルアップを目指す
メキシコ留学時代の古巣チームであるクラブレオンの下部組織が広島に親善試合で訪れた時には、スペイン語の通訳としてチームに帯同しました。昔からよく知るメキシコ人コーチの宿舎に押しかけて、戦略を学んだり。とにかくコミュニティを広げて、いろんな人から知識、スキルを吸収していきました。
——すごい行動力。専門の方から直接ノウハウを吸収してスキルアップしたんですね
他にも「スポーツアナリティクス実習」という授業で基礎もきっちり学ぶことができました。それまでは手探りでやってきていたんで、やっぱり誰かにプレゼン(分析データの解説や戦略)を聞いて評価してもらうと新しい発見がありました。最初はフォントを選ぶ事もあまり意識できていなかったし、伝えたいことをぶつ切りでまとめていたことが多かったんですけど、「ストーリー性のあるミーティング」にする工夫で、より伝わる、なんてテクニックも教わりました。
——なるほど。分析って奥が深いですね。
アナリストって数字を扱ったり、作った資料を見せるだけって役割分担されていることもあるみたいなんですけど、自分としては、「本当にチームが必要なデータ・映像」を「必要なタイミング」で出せるように心がけています。

——素晴らしい。一緒にチームを支える学生スタッフやチームの体制についても教えてください。
トップチームには学生スタッフが11人いるんですけど、フィジカルトレーナーやメディカルトレーナー、ホペイロなどそれぞれの役割に一生懸命取り組んでいる、ハングリーな学生スタッフがいっぱいいます。
『学生スタッフをもっと活かして学生主体で動く一年にすると、結果が変わるはずだ』と思い、新体制を迎える3年次の冬に指導者に「学生主体でチームの運営をさせてほしい」と直談判したんです。「新しいチャレンジかもしれないけど、自分がまとめて必ず結果を出します」と宣言して、ビジョンをまとめた資料を見せてプレゼンをしました。
——監督やコーチの反応は?
すごくポジティブな反応で、やってみろと背中を押してくれました。これまでに自分が考案したセットプレーで得点力が飛躍的に伸びたことも評価してくださっていて、監督も「今までなかった事だから積極的に続けていこう」と。

——熱意が伝わりヘッドコーチを任されたんですね。責任も重くなりますが、チャレンジの幅がさらに広がりますね。
そうですね。あとは、U-17日本代表テクニカルスタッフとして大会に参加させてもらった経験も大きかったです。この代表活動で得た知識を部活に活かせられるよう、どちらも全力で取り組みました。その後も、「U-22日本代表 イングランド遠征」 や「アジアカップ (サウジアラビア)」に向けたU-23サッカー日本代表スタッフ(テクニカルスタッフ)として活動できる機会に繋がっていきました。こうした経験ができたのも周りのサポートがあったからで、より自分のチームに還元したいと思いました。
——部活に留まらず、積極的に経験を積んだんですね。一方、部活でヘッドコーチに就任後、運営体制を築く過程でどんな積み重ねがあったんでしょうか?
部活では、練習メニューを組んだり、ミーティングをしたり、もちろんミーティングの準備もそうですし、試合のプランを決めるのも全て任せてもらっています。その過程での積み重ねといえば、とにかくコミュニケーションを取ることを意識しています。もちろん選手だけじゃなくてスタッフも同様で、必ず自分と喋る機会を設けています。あとは、圧倒的にミーティングが増えましたね。ミーティングにミーティングを重ねている感じなんですけど、それに対して学生スタッフもついてきてくれる。フィジカルコーチとはコンディション調整の練習強度を決めたり。

最初は自分から学生スタッフにお願いすることが多かったんですが、回を重ねると各部門からどんどん提案が出てくるようになって、ミーティングの密度もすごく上がっているなと思います。
——チームとしての成果は?
シーズン開幕前のミーティングで掲げた創部初の「一桁失点、無敗優勝」を無事達成できました。周りの方の理解やサポート、選手スタッフの頑張りを形に残せた事を非常に嬉しく思います。

——最後に今後のビジョンを教えてください
卒業後は、プロの世界でテクニカルスタッフとして活動することが決まっています。将来的には、子どものころから大好きだったJリーグでチームを優勝させられる分析官になることが目標です。その過程で世界を見ておく事も重要。ワールドワイドに活動していきたいです。
Interview
リーグ戦無敗優勝を支えた若き指揮官。
その緻密な戦略と、情熱の源泉に迫る
——まず、学生アナリストとして活動のスタートを教えてください。
きっかけは、1年次の5月。試合前に、先輩から「セットプレーを組んでみて」と言われたことでした。当時は、トップチームで選手登録してもらったんですが、正GKの先輩もいて、自分は試合には出られてなかったんです。チームのためになるなら何でもやってみようと思いました。

その1週間後、天皇杯の試合で前泊した時のことなんですけど、夜21時頃チームミーティングが終わって、部屋に戻って寝ようとした時に、『なんか俺、5000円も払って宿泊してここ(県外の試合会場)まで来ているのにチームの為に何もできていないな』と感じたんです。(明日対戦する)相手チームの映像を観てみようかなと思い検索しました。
試合映像を観ていると、面白いセットプレーをしていることに気づいたんです。同じセットプレーを試合でされた時に失点しないためにはチームに伝えた方がいいと思いました。そこから、23時ぐらいまでずっと映像を観てスクショを撮るのを繰り返しました。夜中コンビニまで歩いて行きプリントアウトしておいたんです。
翌朝、試合前のウォーミングアップが終わったロッカールームは、緊張感が漂っていました。
『今だ』と思って、「ちょっと聞いてください!」と言って手を挙げて…。「相手のセットプレーはこんな感じでくるから、マークはこう付きましょう」って言うと、みんなの反応が良くて雰囲気が変わりました。そこで初めてアクションを起こせたと感じたんです。
——なるほど。その試合では勝てた?

はい、JFL所属のチームを相手に創部初の天皇杯初戦突破でした。2回戦では、優勝したヴァンフォーレ甲府にあたったんですが対策をしていたセットプレーで先制点を決められて負けたことが悔しくて…。ただ、反対にIPUのコーナーキックでは、ポストにはじかれた惜しいシーンが何度かあって手応えも感じました。その時、『じゃあ本気でアナリストをやってやろう』という気持ちになりました。選手としてチャレンジするために入学したので、正直に言うと未練はありました。でも、将来のことを考えた時に、アナリストの道を選んだほうが、自分にとってはプラスになると思ったんです。

——具体的にどんなことをしていたんですか?
始めたばかりの頃は、まずGPSを使った選手の走行距離、スプリント数の管理と、ボールタッチ回数のカウント(主に手作業)をつけていきました。あとは、ゴール確率の高いセットプレーの考案、対戦相手チームのスカウティング(戦力分析)がアナリストとしての仕事です。
——そういったデータ収集や分析はどうやって覚えたんですか?始めからできるもの?
いえ、分析を始めた当初は右も左もわかりませんでした。疑問点があれば、専門家の連絡先を自分で調べてzoomで教えてもらったりもしました。これまでFC岐阜やFC徳島でセットプレーの指導に携わり、現在はセットプレーアドバイザーをされている山内智裕さんには、大変お世話になりました。

アナリストとしてスキルアップを目指す
メキシコ留学時代の古巣チームであるクラブレオンの下部組織が広島に親善試合で訪れた時には、スペイン語の通訳としてチームに帯同しました。昔からよく知るメキシコ人コーチの宿舎に押しかけて、戦略を学んだり。とにかくコミュニティを広げて、いろんな人から知識、スキルを吸収していきました。
——すごい行動力。専門の方から直接ノウハウを吸収してスキルアップしたんですね
他にも「スポーツアナリティクス実習」という授業で基礎もきっちり学ぶことができました。それまでは手探りでやってきていたんで、やっぱり誰かにプレゼン(分析データの解説や戦略)を聞いて評価してもらうと新しい発見がありました。最初はフォントを選ぶ事もあまり意識できていなかったし、伝えたいことをぶつ切りでまとめていたことが多かったんですけど、「ストーリー性のあるミーティング」にする工夫で、より伝わる、なんてテクニックも教わりました。
——なるほど。分析って奥が深いですね。
アナリストって数字を扱ったり、作った資料を見せるだけって役割分担されていることもあるみたいなんですけど、自分としては、「本当にチームが必要なデータ・映像」を「必要なタイミング」で出せるように心がけています。

——素晴らしい。一緒にチームを支える学生スタッフやチームの体制についても教えてください。
トップチームには学生スタッフが11人いるんですけど、フィジカルトレーナーやメディカルトレーナー、ホペイロなどそれぞれの役割に一生懸命取り組んでいる、ハングリーな学生スタッフがいっぱいいます。
『学生スタッフをもっと活かして学生主体で動く一年にすると、結果が変わるはずだ』と思い、新体制を迎える3年次の冬に指導者に「学生主体でチームの運営をさせてほしい」と直談判したんです。「新しいチャレンジかもしれないけど、自分がまとめて必ず結果を出します」と宣言して、ビジョンをまとめた資料を見せてプレゼンをしました。
——監督やコーチの反応は?
すごくポジティブな反応で、やってみろと背中を押してくれました。これまでに自分が考案したセットプレーで得点力が飛躍的に伸びたことも評価してくださっていて、監督も「今までなかった事だから積極的に続けていこう」と。

——熱意が伝わりヘッドコーチを任されたんですね。責任も重くなりますが、チャレンジの幅がさらに広がりますね。
そうですね。あとは、U-17日本代表テクニカルスタッフとして大会に参加させてもらった経験も大きかったです。この代表活動で得た知識を部活に活かせられるよう、どちらも全力で取り組みました。その後も、「U-22日本代表 イングランド遠征」 や「アジアカップ (サウジアラビア)」に向けたU-23サッカー日本代表スタッフ(テクニカルスタッフ)として活動できる機会に繋がっていきました。こうした経験ができたのも周りのサポートがあったからで、より自分のチームに還元したいと思いました。
——部活に留まらず、積極的に経験を積んだんですね。一方、部活でヘッドコーチに就任後、運営体制を築く過程でどんな積み重ねがあったんでしょうか?
部活では、練習メニューを組んだり、ミーティングをしたり、もちろんミーティングの準備もそうですし、試合のプランを決めるのも全て任せてもらっています。その過程での積み重ねといえば、とにかくコミュニケーションを取ることを意識しています。もちろん選手だけじゃなくてスタッフも同様で、必ず自分と喋る機会を設けています。あとは、圧倒的にミーティングが増えましたね。ミーティングにミーティングを重ねている感じなんですけど、それに対して学生スタッフもついてきてくれる。フィジカルコーチとはコンディション調整の練習強度を決めたり。

最初は自分から学生スタッフにお願いすることが多かったんですが、回を重ねると各部門からどんどん提案が出てくるようになって、ミーティングの密度もすごく上がっているなと思います。
——チームとしての成果は?
シーズン開幕前のミーティングで掲げた創部初の「一桁失点、無敗優勝」を無事達成できました。周りの方の理解やサポート、選手スタッフの頑張りを形に残せた事を非常に嬉しく思います。

——最後に今後のビジョンを教えてください
卒業後は、プロの世界でテクニカルスタッフとして活動することが決まっています。将来的には、子どものころから大好きだったJリーグでチームを優勝させられる分析官になることが目標です。その過程で世界を見ておく事も重要。ワールドワイドに活動していきたいです。





















