生成AI×西岡壱成氏で「自分たちの漫画」を制作-IPU漫画講座 最終講義を開催
2026年1月16日、IPU・環太平洋大学で行われた「漫画講座」最終講義では、学生が考えたストーリーと指示書をもとに、世界に一つだけの漫画作品が完成しました。講師の西岡壱誠氏の指導のもと、生成AIも活用しながら、学生たちは創作と情報発信の新しい可能性を体験しました。
指示書から生まれた「自分たちの漫画」との対面
講義の冒頭、学生たちの手元に、これまでの講義で作成した「指示書」をもとに描き起こされた漫画が届けられました。 学生たちは完成した原稿を手に取り、歓声を上げたり、自分たちの意図がどのように形になったかを熱心に確認したりする姿が見られた。

西岡氏は、「指示書の内容が間違っていたとしても、基本的にはその指示通りに描くよう漫画家にお願いした」と語り、クリエイティブにおける言語化と正確な指示の重要性を説いた。 実際に、ジャージの指定が漏れていたためにキャラクターがスーツ姿でダンベルを上げるシュールな一コマが生まれるなど、実社会における「発注」の難しさを学ぶ貴重な機会となった。



生成AI「GenSpark」による驚異のスピード修正
今回の講義の目玉は、生成AIを活用した「リアルタイム修正」のデモンストレーションでした。西岡氏は、生成AIツール「GenSpark」を使用し、学生たちの目の前で漫画の修正を実演した。
- 瞬時の修正:「ルールブックの厚みを増やしてほしい」「セリフを変更したい」といった指示を入力すると、わずか数分で画像が再生成されました。
- フルカラー化:モノクロ原稿を瞬時にフルカラーへ変換する技術には、学生たちから驚きの声が上がりました。

西岡氏は、「本来、プロの漫画家に修正を依頼すれば数時間から数日、フルカラー化には数十万円のコストがかかる作業が、AIを使えば数分かつ低コストで可能になる」と述べ、AIがクリエイティブのハードルを劇的に下げている現状を強調した。
漫画の未来と著作権・倫理を考える
講義の後半では、AIが漫画業界に与える影響について深い議論が交わされた。
- AI漫画の現在地:現在では漫画家の某先生が、最新作の作画の9割に生成AIを活用しているという衝撃的な事例が紹介された。
- 著作権とオリジナリティ: 特定の作家の絵柄をAIに学習させることの是非や、法整備が追いついていない現状など、クリエイターとして向き合うべき権利と倫理の問題についても真剣な問いかけがなされた。
西岡氏は、「AIを悪用するのではなく、自分の考えを分かりやすく伝えるための武器として付き合ってほしい」と締めくくりました。
参加した学生の意見(アンケートより)
西岡壱誠先生の講義を通じ、学生たちは「漫画をただ描くだけでなく、社会人としての基礎知識を持つことの大切さ」や「AIとどのように向き合っていくか」を深く学びました。
生成AIについては、「1枚3万円かかるような作業が1分で終わる凄さ」に驚くと同時に、「指示書(プロンプト)を細かく書かないと思っているものと違うものができてしまう」という実用上の難しさも体感しました。制作実習では「4コマ漫画を作るだけでも苦戦した」ことで、プロの漫画家が注ぐ手間暇や創造性への敬意を深めるとともに、「チームでの役割分担や連携といったプロジェクト運営のスキル」を習得しました。
最終的には「AIができないものを人間が作り出すことに魅力がある」と気づき、「自分たちでも漫画で収益を出せること」や「難しい説明に漫画を活用する便利さ」など、技術の進歩をポジティブに捉え、自らの可能性を広げる貴重な機会となりました。学生たちの言葉からは、技術革新の波を冷静に見据えつつ、自らの表現を追求しようとする前向きな意欲が読み取れました。
最後に
講義の最後には、完成した漫画をスクリーンに映しながら全員で記念撮影を行い、拍手と共に講座は幕を閉じた。 学生たちにとって、漫画は「読むもの」から「自らのメッセージを伝えるための強力なツール」へと変わったに違いありません。
本学では今後も、最新技術を教育に取り入れ、学生たちの表現力と情報発信力を高める取り組みを継続していきます。







