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    失業保険のもらい方について解説!申請から受給まで【2026年最新】

    退職後に失業保険をもらうには、どんな条件が必要で、いつからいくら受け取れるのか。

    手続きの流れが複雑で、何から始めればいいかわからないという方は少なくありません。

    2025年4月の制度改正で給付制限が原則1ヶ月に短縮されるなど、ルールは毎年変わっています。

    本記事では、受給条件・申請手続き・給付金額の計算方法から、認定日の対応・アルバイト中の注意点・再就職手当の活用まで、2026年4月時点の最新制度にもとづいて体系的に解説します。

    手続きを一度で正しく進めるための情報がすべて揃っています。

    この記事を読めばわかること
    • 失業保険をもらうために必要な3つの受給条件と退職理由別の違い
    • 離職票の受け取りからハローワーク登録・認定日までの申請手続きの全体像
    • 退職前の月収や退職理由別の受取総額シミュレーション
    • 受給中のアルバイト申告ルールと再就職手当を最大化する方法
    • 税金・確定申告・不正受給ペナルティに関する正確な知識

    失業保険をもらうための3つの受給条件

    失業保険(雇用保険の基本手当)をもらうには、3つの条件をすべて満たす必要があります。

    1つでも欠けると受給できないため、申請前に必ず自分の状況を確認しておくとよいでしょう。

    3つの条件は、(1)雇用保険の加入期間が一定以上あること、(2)ハローワークが定める失業状態にあること、(3)積極的に求職活動を行うことです。

    それぞれの内容を順番に見ていきます。

    雇用保険の加入期間はどれくらい必要か

    失業保険を受給するには、雇用保険に一定期間加入していた実績が必要です。

    厚生労働省の規定では、退職理由によって必要な加入期間が異なります。

    自己都合退職の場合、離職日以前の2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが条件です。

    一方、倒産・解雇・退職勧奨など会社都合による退職(特定受給資格者)や、病気・介護など正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)の場合は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば受給資格が認められます(厚生労働省「雇用保険の基本手当について」)。

    退職の種類必要な加入期間計算対象期間
    自己都合退職(一般受給資格者)通算12ヶ月以上離職日以前2年間
    会社都合退職(特定受給資格者)通算6ヶ月以上離職日以前1年間
    正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)通算6ヶ月以上離職日以前1年間

    ここで注意したいのが、被保険者期間の数え方です。

    単純に「雇用保険に加入していた月数」ではありません。

    1ヶ月としてカウントされるのは、その月の中で賃金の支払基礎日数が11日以上ある月、または賃金支払いの基礎となった労働時間数が80時間以上ある月です(厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」)。

    有給休暇を取得した日や、休業手当が支払われた日は日数に含まれます。

    その反面、無給の欠勤日はカウントされないため、長期病欠が続いた期間がある場合は実態より期間が短くなる可能性があります。

    また、パートやアルバイトでも、週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば雇用保険に加入しているため、条件を満たせば受給対象になります。

    失業状態と認められる具体的な定義

    雇用保険の加入期間を満たしていても、ハローワークが定める失業状態に該当しなければ受給できません。

    失業状態の定義は、次の3点をすべて満たすことです(厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当)~」)。

    • 就職しようとする積極的な意思があること
    • いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること
    • 積極的に求職活動しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと

    この定義により、以下の状態にある人は失業状態と認められず、受給できません。

    受給できないケース理由
    退職後すぐに別の仕事を始める就職しているため失業状態に該当しない
    就職する意思がない就職意思の要件を満たさない
    病気やけがですぐに働けない就労能力の要件を満たさない
    妊娠・出産・育児でしばらく働けない就労能力の要件を満たさない(延長申請は可能)
    学業に専念している就職意思・就労能力の要件を実質的に満たさない

    病気や妊娠・育児が理由で今すぐ働けない場合でも、受給をあきらめる必要はありません。

    受給期間の延長申請を行えば、最大4年間(本来の1年間+3年間)は受給資格を保持したまま手続きを先送りできます。

    働ける状態に戻ったタイミングでハローワークへ申請すれば、改めて受給手続きを開始できます。

    自己都合・会社都合で変わる有利不利

    受給条件の中で、退職理由の違いが受給のしやすさに最も大きく影響します。

    自己都合退職と会社都合退職では、加入期間の要件だけでなく、給付が始まるまでの期間や給付日数にも差が生じます。

    2025年4月1日施行の雇用保険法改正により、自己都合退職の給付制限期間がこれまでの原則2ヶ月から原則1ヶ月に短縮されました(厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」)。

    退職理由給付制限期間加入期間の要件給付日数の傾向
    自己都合退職(一般)原則1ヶ月(2025年4月以降)2年間で12ヶ月以上90〜150日
    自己都合退職(5年内に2回以上)3ヶ月2年間で12ヶ月以上90〜150日
    特定理由離職者なし1年間で6ヶ月以上90〜150日(雇止めは最大330日)
    特定受給資格者(倒産・解雇等)なし1年間で6ヶ月以上90〜330日

    特定受給資格者に該当するケースは、倒産・解雇・退職勧奨による離職のほか、賃金の不払いや大幅な労働条件の変更、長時間労働による離職なども含まれます。

    自分が特定受給資格者や特定理由離職者に該当するかどうかは、離職票に記載された離職理由コードと、ハローワークの窓口での確認が判断の基準になります。

    自己都合退職扱いになっていても、実態として職場環境の悪化や労働条件の変更があった場合は、ハローワークで申し立てが可能です。

    離職理由の判定は申請者自身が内容を確認し、異議がある場合は証拠をそろえたうえで申し出るとよいでしょう。

    失業保険の申請手続き 全体の流れと必要書類

    失業保険の申請手続きは、退職後に離職票を受け取ることから始まり、ハローワークへの初回登録、雇用保険説明会への参加、そして失業認定日まで複数のステップを順番にこなす必要があります。

    手続きを開始できるのは退職日の翌日からで、申請期限は原則として離職日の翌日から1年以内です(厚生労働省「雇用保険の具体的な手続き」)。

    退職後に時間を置けば置くほど受給できる期間が短くなるため、離職票が届いたらできるだけ早めに行動することが大切です。

    退職後にまず行う離職票の受け取り方

    離職票とは、退職後に雇用保険の求職者給付(基本手当)を受給するために必要な書類で、正式名称は雇用保険被保険者離職票といいます。

    「離職票-1」と「離職票-2」の2枚がセットで発行され、どちらか1枚でも欠けるとハローワークでの手続きが進みません。

    これまでは会社経由で郵送されるのが一般的でしたが、2025年1月20日からマイナポータルを通じて受け取れる仕組みが始まりました(厚生労働省「2025年1月から、離職票をマイナポータルで受け取れるようになります」)。

    マイナポータル受取を利用するには、離職の2週間前までにマイナンバーをハローワークに登録し、マイナポータルと雇用保険WEBサービスを連携させておく必要があります。

    事前の準備が整っていれば、会社からの郵送を待たずに離職票を確認できるため、手続きを数日早めることができます。

    郵送を待つ場合の目安は退職日から1〜2週間程度ですが、会社の事務処理の都合によって遅れることもあります。

    2週間を過ぎても届かない場合は、退職した会社の人事・総務担当に問い合わせるとよいでしょう。

    離職票を受け取ったら、記載内容を必ず確認してください。

    特に離職票-2に記載されている離職理由コードは、給付制限の有無や給付日数に直結する重要な情報です。

    内容に誤りや納得のいかない点がある場合は、ハローワークの窓口で申し立てができます。

    ハローワークへの初回登録で必要なもの一覧

    離職票が手元に届いたら、住所を管轄するハローワークへ出向いて初回登録の手続きを行います。

    この日に受給資格の決定が行われ、7日間の待機期間がスタートします。

    手続きに要する時間はおおむね1時間以上で、当日の混雑状況によってはさらに時間がかかることもあります。

    時間に余裕を持って、16時頃までには来所するとよいでしょう(ハローワーク公式サイト)。

    初回登録に持参すべき書類は以下の通りです。

    マイナンバーカードの有無によって準備物が変わります。

    マイナンバーカードを持っている場合

    書類備考
    雇用保険被保険者離職票-1・-22枚セットで必須
    マイナンバーカード本人確認・個人番号確認を一枚で兼ねる
    本人名義の預金通帳またはキャッシュカード給付金の振込先として必要

    マイナンバーカードがない場合は上記に加えて、個人番号確認書類(通知カードまたはマイナンバー記載の住民票)と、身元確認書類(運転免許証、健康保険証など)を別途用意する必要があります。

    またマイナンバーカードがない場合は、証明写真(縦3.0cm×横2.4cm)が2枚必要です(ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」)。

    マイナンバーカードがあれば写真は不要で、認定日ごとにカードを提示することで受給資格者証の持参も省略できます。

    雇用保険被保険者証は、会社で保管しているケースが多く手元にないこともあります。

    持ち物を一度にそろえるのが難しい場合も、まずハローワークへ行って窓口に相談するとよいでしょう。

    状況に応じて仮手続きを進めてもらえるケースがあります。

    求職申込から失業認定日までのスケジュール

    初回登録からはじめて給付金が振り込まれるまで、おおよそ以下のスケジュールで手続きが進みます。

    退職理由によって2回目の認定日のタイミングが異なります。

    退職理由別の給付開始までの目安

    ステップ自己都合退職(一般)会社都合退職・特定理由離職者
    ハローワーク初回登録離職票到着後すぐ離職票到着後すぐ
    待機期間7日間(全員共通)7日間(全員共通)
    雇用保険説明会待機期間後に案内される日程待機期間後に案内される日程
    給付制限期間原則1ヶ月(2025年4月以降)なし
    初回認定日申込みからおおむね3〜4週間後申込みからおおむね3〜4週間後
    給付金の初回振込初回認定日から5営業日程度初回認定日から5営業日程度

    まず初回登録を行った日から、離職理由に関わらず全員に7日間の待機期間が適用されます。

    この期間はアルバイトを含む就労も禁止されており、純粋に失業状態にあることを確認するための期間です。

    待機期間を終えると、雇用保険受給者初回説明会への参加が必要です。

    説明会ではハローワーク職員から、失業認定の仕組み、求職活動実績の数え方、今後のスケジュールについて説明があります。

    この説明会への参加自体が、1回分の求職活動実績としてカウントされます。

    説明会に参加した後、初回認定日が設定されます。

    初回認定日はハローワークへの求職申込みからおおむね3〜4週間後に設定される傾向があります(ハローワーク認定日の仕組みより)。

    2回目以降の認定日は原則4週間ごとです。

    会社都合退職の場合は待機期間の7日後から給付対象となりますが、自己都合退職の場合は待機期間に加えて給付制限期間(原則1ヶ月)が終了してから給付が始まります。

    2025年4月以降の給付制限は原則1ヶ月に短縮されていますが、給付制限中の1ヶ月目は、ハローワークまたは許可を受けた職業紹介事業者の紹介による就職でなければ、再就職手当の対象とならない点にも注意が必要です(厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正」)。

    申請手続きは退職後すみやかに行うことが重要です。

    受給期間は離職日の翌日から原則1年間で、給付制限や待機期間もその1年の中に含まれます。

    手続きが遅れると、実際に受給できる日数が目減りしてしまう可能性があります。

    失業保険はいつからいくらもらえるのか

    失業保険がいつから振り込まれるかは、退職理由によって大きく異なります。

    会社都合退職であれば待機期間の7日間が終われば給付対象となり、初回振込まで申請からおよそ1ヶ月が目安です。

    自己都合退職の場合は、2025年4月の改正によって給付制限が原則1ヶ月に短縮されたため、申請からおよそ1ヶ月半〜2ヶ月で初回振込となります。

    受給できる金額は退職前の給与をもとに計算され、1日あたりおおむね賃金日額の50〜80%です。

    給付金額の計算方法と日額の目安

    失業保険の1日あたりの給付額を基本手当日額といいます。

    計算は2段階で行います。

    まず賃金日額を求めます。

    賃金日額とは、退職前の6ヶ月間に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割った1日あたりの平均額です。

    残業代や通勤手当・住宅手当は賃金に含みますが、賞与と退職金は含みません。

    賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180

    次に、賃金日額に給付率をかけて基本手当日額を算出します。

    給付率は賃金が低いほど高く設定される仕組みで、おおむね50〜80%の範囲で変動します(厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和7年8月1日から〜」)。

    基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

    月収別の受給額目安として、次の早見表を参考にしてください。

    退職前の月収(額面)賃金日額の目安基本手当日額の目安月額換算(×28日)
    約20万円約6,667円約4,800〜5,300円約13〜15万円
    約25万円約8,333円約5,000〜6,000円約14〜17万円
    約30万円約10,000円約5,500〜6,500円約15〜18万円
    約40万円約13,333円約6,000〜7,500円約17〜21万円

    基本手当日額には年齢区分ごとに上限額が設けられており、2025年8月1日改定後の上限額は以下のとおりです(厚生労働省告示・2025年7月22日官報公布)。

    年齢区分基本手当日額の上限額
    30歳未満7,255円
    30歳以上45歳未満8,055円
    45歳以上60歳未満8,870円
    60歳以上65歳未満7,623円

    下限額は年齢に関係なく一律2,411円です。

    月収が高い場合でも上限額で頭打ちになるため、高収入だった方ほど給与に対する給付率は実質的に低くなる点を念頭に置いておくとよいでしょう。

    なお、この上限額は毎年8月に見直されます。

    受給できる日数は退職理由と加入期間で決まる

    給付日数(所定給付日数)は、退職理由・離職時の年齢・雇用保険の被保険者期間の3つで決まります。

    受給総額は日額と給付日数の掛け算になるため、この日数の違いが最終的な手取り総額に大きく影響します。

    自己都合退職(一般の離職者)の給付日数は、年齢に関係なく被保険者期間のみで決まり、最大150日です。

    被保険者期間給付日数
    1年以上10年未満90日
    10年以上20年未満120日
    20年以上150日

    会社都合退職(特定受給資格者)は、年齢と被保険者期間の組み合わせによって最大330日まで給付日数が伸びます。

    被保険者期間30歳未満30〜35歳未満35〜45歳未満45〜60歳未満60〜65歳未満
    1年未満90日90日90日90日90日
    1年以上5年未満90日120日150日180日150日
    5年以上10年未満120日180日180日240日180日
    10年以上20年未満180日210日240日270日210日
    20年以上240日270日330日240日

    出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当等について」

    有期労働契約の雇止めによって離職した特定理由離職者については、2027年3月31日までの離職者を対象に、特定受給資格者と同じ日数で給付が受けられる時限的な特例措置が設けられています。

    パートや契約社員で雇止めにあった方は、この特例に該当する可能性があるため、必ずハローワークで確認しておくとよいでしょう。

    待機期間・給付制限期間中は一切給付されない

    受給資格が認められた後でも、すぐに給付が始まるわけではありません。

    給付が開始されるまでに、待機期間と給付制限期間という2つの空白期間があります。

    待機期間は離職理由に関わらず全員に適用される7日間で、ハローワークに離職票を提出して受給資格が決定した日から起算されます。

    この7日間はアルバイトを含む就労が原則禁止です。

    1日でも働くと待機が満たされず、給付開始がその分ずれ込みます(厚生労働省「雇用保険の具体的な手続き」)。

    給付制限期間は、正当な理由のない自己都合退職の場合のみ追加で適用されます。

    2025年4月以降に手続きを行う場合の給付制限期間は原則1ヶ月です。

    退職理由別の受給開始までの目安は以下のとおりです。

    退職理由待機期間給付制限初回振込まで(申請から)
    会社都合退職(特定受給資格者)7日間なし約1ヶ月
    特定理由離職者7日間なし約1ヶ月
    自己都合退職(一般・2025年4月以降)7日間1ヶ月約1ヶ月半〜2ヶ月
    自己都合退職(5年内2回以上)7日間3ヶ月約3ヶ月半

    なお、自己都合退職でも2025年4月以降、教育訓練給付金の対象講座や公共職業訓練を離職前1年以内または離職後に受講していた場合は、給付制限が解除されます。

    7日間の待機期間のみで給付が始まるため、職業訓練の受講を検討している方はハローワークへの早期相談が有効です(厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」)。

    給付制限中の1ヶ月は、ハローワークまたは許可を受けた職業紹介事業者の紹介による就職でなければ再就職手当の一部給付要件を満たさない点も覚えておくとよいでしょう。

    自己都合退職と会社都合退職の損得シミュレーション

    自己都合退職と会社都合退職では、受給総額・給付日数・受給開始時期のすべてで差が生じます。

    同じ月収・同じ勤続年数であっても、退職理由の判定ひとつで受取総額が数十万円単位で変わるケースは珍しくありません。

    退職前・退職直後に自分の離職区分を正確に把握しておくことが、受給額を最大化するための第一歩です。

    給付制限2ヶ月と3ヶ月で受取総額はどう変わるか

    2025年4月の法改正で自己都合退職の給付制限は原則1ヶ月に短縮されましたが、それでも会社都合退職との差は依然として大きいです。

    差が生まれる理由は2点あります。

    給付が始まるまでの待ち期間の長さと、給付日数そのものの違いです。

    ここでは、35歳・月収30万円・勤続8年(被保険者期間10年未満)という条件でシミュレーションを行います。

    賃金日額の計算

    30万円 × 6ヶ月 ÷ 180 = 10,000円

    給付率は賃金日額10,000円・35歳の場合、おおむね60%程度となります。

    基本手当日額 = 10,000円 × 60% = 6,000円

    この条件での退職理由別シミュレーションは以下のとおりです。

    項目自己都合退職(一般)会社都合退職
    給付制限期間1ヶ月(2025年4月以降)なし
    給付日数120日(10年未満)240日(35歳・10年未満)
    基本手当日額約6,000円約6,000円
    受取総額の目安約72万円約144万円
    初回振込までの目安申請から約1.5〜2ヶ月申請から約1ヶ月

    上記はあくまで試算の目安です。

    実際の金額はハローワークでの算定によります。

    受取総額の差は約72万円です。

    給付日数が120日と240日で2倍異なるため、日額が同じでも総額に大きな開きが出ます。

    退職理由の判定は、この試算結果が示すとおり、単なる手続き上の区分ではなく経済的な実利に直結します。

    なお、会社都合退職の給付日数は年齢と被保険者期間の組み合わせによって変動します。

    たとえば45〜59歳で被保険者期間20年以上の場合は最大330日となり、基本手当日額が上限の8,870円に達する場合、受取総額は290万円を超える計算になります。

    この層では退職理由の判定の影響が特に大きくなります。

    特定理由離職者・特定受給資格者に該当するケース

    自己都合扱いで退職票が届いた場合でも、実態として以下のケースに当てはまる場合は、特定受給資格者または特定理由離職者として認定される可能性があります。

    認定されると給付制限がなくなり、状況によっては給付日数も大幅に伸びます。

    特定受給資格者に該当する主なケース
    • 会社の倒産・廃業・事業縮小に伴う離職
    • 解雇・退職勧奨による離職
    • 賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった
    • 賃金が直近の賃金額の85%未満に低下した(または低下することが予見された)
    • 離職直前の6ヶ月間に、3ヶ月連続で月45時間超の時間外労働があった
    • 同期間に1ヶ月で100時間超、または2〜6ヶ月の平均で月80時間超の時間外労働があった
    • 労働条件(業務内容・勤務場所・賃金など)が、採用時の明示内容と著しく異なった

    出典:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」

    特定理由離職者に該当する主なケース
    • 体力の不足や心身の障害により業務に就くことが困難になった
    • 妊娠・出産・育児を理由に離職を余儀なくされた
    • 家族の介護・看護のために離職した
    • 結婚や配偶者の転勤による転居で通勤が往復4時間以上になった
    • 有期労働契約が満了し、更新を希望したが更新されなかった(雇止め)

    これらのケースは、会社が離職票に「自己都合」と記載した場合でも、ハローワークへの申し立てによって判定が覆る可能性があります。

    最終的な離職理由を判断するのはハローワークであり、会社の記載がそのまま確定するわけではありません(厚生労働省「特定受給資格者となる離職理由の判定基準」)。

    退職理由の伝え方で判定が変わる可能性がある場面

    退職理由の判定は、離職票-2に会社が記入した内容をもとにハローワークが行います。

    離職票-2の「離職者本人の判断」欄には、「事業主が記載した離職理由に異議 有り」という項目があります。

    異議がある場合はここに丸をつけたうえで、ハローワークの窓口で状況を説明します。

    ハローワークは両者の主張と提出書類をもとに判断を行います。

    申し立て時に有効な証拠となる資料の例

    主張したい理由有効な証拠の例
    長時間労働による離職タイムカード・PCのログ・給与明細の残業代記録
    賃金未払い・賃金低下給与明細・通帳の入金履歴・雇用契約書
    退職勧奨・事実上の強制退職退職勧奨の場面を記録した音声・メール・書面
    労働条件の著しい変更採用時の雇用契約書・変更前後の業務内容の記録
    ハラスメントによる離職上司とのメール・日時を記録したメモ・相談窓口への記録

    証拠として最も有効なのは、客観的な数字や記録が残っているものです。

    「つらかった」「雰囲気が悪かった」という主観的な訴えだけでは認定には至りにくく、具体的な日時・金額・やり取りの記録が判断の根拠となります。

    会社の助成金受給を理由に、実態は会社都合にもかかわらず自己都合として処理されるケースは一定数存在します。

    離職票が届いたら、内容を確認する前に署名しないことが重要です。

    納得のいかない記載があれば、まずハローワークの窓口に相談することをおすすめします。

    失業認定日に何をすればいいのか

    失業認定日とは、ハローワークで現在も失業状態にあることを確認してもらう日です。

    この手続きをクリアしなければ、どれだけ求職活動をしていても給付金は一切振り込まれません。

    認定日は原則として4週間に1度設定されており、指定された日に失業認定申告書と雇用保険受給資格者証を持参してハローワークへ出向きます。

    認定後、通常2〜5営業日程度で指定口座に手当が振り込まれます(ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」)。

    求職活動の実績として認められる行動の種類

    失業の認定を受けるには、認定対象期間中に一定回数の求職活動実績を積んでいることが条件です。

    原則として、前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間に2回以上の求職活動が必要です。

    初回認定日のみ1回以上で認められます。出典:厚生労働省「失業認定における求職活動実績となるもの」

    認められる求職活動の種類と、認められない行動の違いを正確に把握しておくことが重要です。

    求職活動実績として認められる主な活動

    活動の種類具体的な行動
    求人への応募応募書類の送付・面接受験・筆記試験の受験・オンライン応募
    ハローワークでの活動職業相談・職業紹介・就職支援セミナーの受講
    民間機関での活動許可・届出のある民間職業紹介機関での相談や紹介
    公的機関等のセミナー再就職を目的とした個別相談が可能な企業説明会・講習・セミナー

    一方、求職活動として認められない行動もあります。

    単なる求人情報の閲覧(ハローワーク・新聞・インターネットでの閲覧のみ)、職業紹介機関への登録のみ、知人への紹介依頼だけでは実績にはなりません(厚生労働省「失業認定について」)。

    就職の可能性を高める相互のやり取りが発生していることが実績と認められる条件です。

    実際に求職活動実績を効率よく作る方法として、認定日当日にハローワークの職業相談窓口で相談を行うことが多く活用されています。

    認定手続きと同じ日に相談を1件こなすことで、次回認定日に向けた実績を当日中に1回分確保できます。

    ハローワーク主催の就職支援セミナーも実績として認められるため、日程に合わせて受講する方法もあります。

    認定日当日にハローワークで行う手続きの内容

    認定日当日は、以下の持ち物を準備してハローワークへ向かいます。

    • 失業認定申告書(記入済み)
    • 雇用保険受給資格者証(マイナンバーカード利用者は不要)
    • 印鑑

    失業認定申告書には、前回の認定日から今回の認定日前日までの期間に行った求職活動の内容・日時・活動先を記入します。

    また、その期間中にアルバイトや内職などで収入を得た日があれば、収入の有無に関わらず必ず申告欄に記入します。

    記入漏れや虚偽の申告は不正受給とみなされ、受給停止・支払済み給付金の全額返還に加えて、その2倍相当の納付命令(いわゆる3倍返し)が課されるため、正確な記入が絶対条件です(雇用保険法第10条の4)。

    当日の手続きの大まかな流れは次のとおりです。

    1. 給付窓口の受付に申告書と受給資格者証を提出
    2. 職員が内容を確認し、認定対象期間の活動状況を確認
    3. 認定が下りると受給資格者証に認定スタンプが押印される
    4. 次回認定日と新しい失業認定申告書が手渡される

    所要時間は空いている時間帯であれば20〜30分程度が目安ですが、月曜日の午前中や4〜5月の繁忙期は混雑するため、時間帯を選べる場合は火曜〜木曜の午後が比較的スムーズです。

    指定された時間よりも早く着いた場合でも、番号札を取って待機すれば問題なく受け付けてもらえます。

    指定時間に多少遅れても当日中に来庁できれば認定を受けられますが、当日中に来庁できない場合はその認定期間の給付金が受け取れなくなります。

    認定を受けられなかった場合に起こること

    正当な理由なく認定日を無断欠席した場合、その認定期間の給付金は支給されません。

    支給されなかった期間の給付金は翌月以降に繰り越されるものではなく、その期間分は消滅します。

    やむを得ない理由で認定日に行けない場合は、日程の変更が認められることがあります(ハローワーク府中「認定日の変更ができる場合について」)。

    変更が認められる主な理由は以下のとおりです。

    • 採用面接・就職のための試験・職業訓練の受講日と重なった
    • 病気・けがによる通院や入院
    • 親族の冠婚葬祭
    • 天災・交通機関の事故など不可抗力による事情

    日程変更を希望する場合は、認定日の前日までに管轄のハローワーク給付窓口に電話で連絡し、変更可否の確認と指示を受けます。

    連絡が間に合わなかった場合でも、当日または翌日以降にハローワークへ出向き、欠席の理由を説明して証明書類を提出することで事後対応できるケースがあります。

    単なる旅行や体調不良を超えない「気分」などの自己都合の理由では変更は認められないため、事前の確認が大切です。

    認定を受けた場合の振込は、認定日から通常2〜5営業日後です。

    土日祝や大型連休を挟む場合はその分遅れます。

    認定日当日ではなく数日後に入金される仕組みであるため、生活費の管理は認定日ではなく振込予定日を基準に計画しておくとよいでしょう。

    アルバイト・扶養・再就職手当など受給中の注意点

    失業保険の受給中は、アルバイトの収入申告・扶養の判定・再就職手当の活用という3つのポイントを正しく理解しておくことが重要です。

    いずれも知らずに対応を誤ると、給付金の減額・不正受給のペナルティ・扶養からの外れといった予期せぬ不利益につながります。

    受給開始前にルールを把握しておくことが、受給期間を有効活用するための基本です。

    受給中にアルバイトをする場合の申告ルール

    失業保険の受給中にアルバイトをすることは可能ですが、その収入は必ずハローワークに申告しなければなりません。

    申告は失業認定日に提出する失業認定申告書に記入する形で行います。

    日払い・手渡しを問わず、労働の対価を受け取ったすべての日を申告対象とします。

    ボランティア活動についても就労扱いになるため、同様に申告が必要です(ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」)。

    アルバイトの扱いは、1日の労働時間が4時間以上か未満かで変わります。

    1日4時間以上働いた日は「就労日」として扱われます。

    その日の基本手当は支給されませんが、消滅するわけではなく、所定給付日数の最終日の翌日以降に繰り越されます。

    受給期間(原則として離職日の翌日から1年間)内に繰り越された分を受け取ることができます。

    1日4時間未満の場合は「内職・手伝い」として扱われます。

    この場合は日額の全額ではなく、収入額に応じて減額が生じる場合があります。

    待機期間の7日間は、アルバイトを含む一切の就労が禁止です。

    1日でも働くと待機が途中で中断され、改めて7日間のカウントが始まります。

    申告を怠った場合や虚偽の申告を行った場合は不正受給と判断されます。

    不正受給が発覚した場合、支給停止・支給済み給付金の全額返還・その2倍相当の納付命令(計3倍返し)が課されます。

    マイナンバーを通じた所得情報の照合やアルバイト先の税務申告から発覚するケースが増えており、「バレないだろう」という判断は非常に危険です(雇用保険法第10条の4)。

    失業保険と扶養どちらが得かの判断基準

    失業保険の受給中に配偶者の扶養に入れるかどうかは、基本手当日額の水準によって決まります。

    健康保険の被扶養者の認定基準は「年収130万円未満」であり、これを1日あたりに換算すると約3,612円になります。

    この金額が判断の分かれ目です(健康保険法第3条第7項に基づく被扶養者認定基準)。

    基本手当日額扶養の可否理由
    3,611円以下扶養に入れる年換算で130万円未満とみなされる
    3,612円以上扶養から外れる年換算で130万円以上とみなされる

    60歳以上または障害者の場合は年収180万円未満、日額換算で約4,932円未満が基準となります。

    基本手当日額が3,612円を超える場合、受給中は国民健康保険・国民年金に自分で加入する必要があります。

    保険料の負担が発生しますが、受給終了後は再び扶養に入る手続きが可能です。

    扶養に戻る際は、受給終了の翌日から14日以内に配偶者の勤務先へ手続きを依頼します。

    なお、2026年4月1日から健康保険の被扶養者認定において、残業代など労働契約上に定めのない賃金を年間収入の見込み額に含めなくてもよい新ルールが適用されています(厚生労働省2025年10月通達)。

    これは主に雇用されているパート・アルバイトの扶養判定に影響するもので、失業保険の基本手当日額を使う判断基準の3,612円という数字は変わりません。

    受給中に扶養に入るかどうかの選択は、保険料の負担と給付金額のバランスで判断します。

    基本手当日額が3,611円以下の場合は扶養に入ることで保険料の節約が可能ですが、3,612円以上の場合は自費で社会保険に加入することになります。

    加入先の健康保険組合によって細かい運用が異なる場合があるため、判断に迷う場合は配偶者の勤務先または管轄の年金事務所への確認が確実です。

    早期に再就職した場合にもらえる再就職手当の条件

    再就職手当とは、失業保険の受給期間中に所定給付日数を一定以上残して早期に再就職した場合に支給される一時金です。

    いわば早期再就職への奨励金として位置づけられており、受給総額を増やす可能性のある有利な制度です。出典:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」

    支給を受けるには以下の条件をすべて満たす必要があります。

    • 7日間の待機期間が満了した後の就職であること
    • 所定給付日数の3分の1以上の支給残日数があること
    • 再就職先が前職と密接な関わりのない企業であること
    • 再就職先で1年を超えて勤務することが確実であること
    • 自己都合退職で給付制限がある場合、給付制限終了後1ヶ月目はハローワークまたは許可を受けた職業紹介事業者からの紹介による就職であること

    支給額の計算式は以下のとおりです。

    支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合

    再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 70%

    支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合

    再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 60%

    計算に使う基本手当日額には上限があり、2025年8月改定時点で59歳以下は6,570円、60〜64歳は5,310円です(厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和7年8月1日から〜」)。

    たとえば所定給付日数90日のうち60日残した状態で再就職した場合(基本手当日額6,000円)、支給残日数60日は3分の2(60日)に相当するため、再就職手当は6,000円×60日×70%=252,000円となります。

    給付金を最後まで受け取るより早期に就職した方が経済的に有利になるケースも多く、条件を満たすかどうかは必ず確認しておくとよいでしょう。

    申請手続きは、再就職した翌日から1ヶ月以内に再就職先に申請書の記入を依頼したうえで、雇用保険受給資格者証とともにハローワークへ提出します。

    申請期限を過ぎると受給できなくなるため、就職日が決まった時点で早めに準備を始めることが大切です。

    失業保険を受け取れないケースと受給期間延長の手続き

    失業保険は条件を満たせば誰でも受け取れる制度ですが、状況によっては受給できないケース、または通常の方法では受給できない時期が生じることがあります。

    病気・妊娠・介護などで今すぐ働けない場合でも、受給期間延長制度を使えば権利を最大4年間保持できます。

    また65歳以上で退職した場合は通常の失業保険とは別の給付制度が適用されます。

    いずれも手続きのタイミングが重要で、知らずに期限を過ぎてしまうと受給できなくなるため、自分の状況に合った制度を早めに確認しておくことが大切です。

    病気・妊娠・介護で受給できない場合の延長申請

    失業保険の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。

    この1年以内に受給を開始しなければ、たとえ給付日数が残っていても失効します。

    ところが、病気・けが・妊娠・出産・育児・介護などの理由で、離職直後から30日以上継続して働けない状態にある場合は、受給期間を最長3年間延長できます。

    延長後の最大受給期間は本来の1年を含めて4年間です(雇用保険法第20条)。

    受給期間延長制度が認められる主な理由は以下のとおりです。

    • 自身の病気・けがによる療養(精神疾患・うつ病も含む)
    • 妊娠・出産・産後の回復期間
    • 3歳未満の子どもの育児
    • 常時介護が必要な家族の介護・看護
    • 配偶者の海外転勤への同行

    延長申請に必要な書類は、受給手続きを済ませているかどうかで異なります。

    状況必要書類
    受給手続き前受給期間延長申請書・離職票-2・延長理由を証明する書類(医師の診断書など)
    受給手続き後受給期間延長申請書・雇用保険受給資格者証・延長理由を証明する書類

    申請できる期間は、継続して30日以上働けなくなった日の翌日から、受給期間の最終日(離職日から1年後)までです。

    つまり、申請自体も1年以内に行う必要があります。

    「元気になってから申請しよう」と先延ばしにすると期限を過ぎてしまうリスクがあるため、状態が続くと見込まれた時点で早めにハローワークへ相談することをおすすめします。

    延長申請はハローワークへの窓口来所のほか、郵送・代理人による申請も可能です。

    体調不良で来所が難しい場合は、管轄ハローワークの雇用保険給付窓口に電話で相談すると、郵送での手続き方法を案内してもらえます。

    延長中は給付金は支給されません。

    働ける状態に回復した時点でハローワークへ出向き、延長解除の手続きを行ったうえで求職申込みをすると、改めて失業認定の手続きが始まります。

    なお、受給期間延長はあくまで「1年間の有効期限を延ばす」制度であり、給付日数が増えるわけではありません。

    給付される日数は退職理由と被保険者期間によって決まり、延長申請をしても増加しません。

    この点は制度を誤解しやすいポイントです。

    60歳以上や高年齢被保険者が注意すべき違い

    60歳以上で退職した場合、雇用保険の給付体系が通常とは一部異なります。

    65歳未満と65歳以上では適用される制度が大きく変わるため、退職を検討している方は事前に確認しておくことが重要です。

    60歳以上65歳未満で退職した場合は、通常の基本手当の対象です。

    また、60歳以上65歳未満で失業保険を受給している期間は、老齢厚生年金と同時に受け取ることができません。

    失業保険の受給中は年金が全額支給停止になるため、どちらを先に受け取るかの選択が必要です。

    65歳以上で退職した場合は「高年齢求職者給付金」の対象になります。

    この制度は通常の失業保険とは性質が異なり、分割で支給される基本手当ではなく、一括の一時金として支給されます(ハローワークインターネットサービス「高年齢求職者給付金」)。

    項目65歳未満の基本手当65歳以上の高年齢求職者給付金
    支給形式分割(認定日ごと)一時金(一括)
    支給日数90〜330日30日または50日
    年金との併給不可(受給中は年金停止)可能(年金満額受給と同時に受取可)
    給付制限自己都合は原則1ヶ月なし

    高年齢求職者給付金の支給日数は、雇用保険の被保険者期間のみで決まります。

    被保険者期間が1年未満であれば30日分、1年以上であれば50日分が一時金として支給されます。

    計算に用いる基本手当日額は、60歳以上65歳未満の区分が適用されます。

    65歳以上で退職する最大のメリットは、老齢年金と一時金を同時に受け取れる点です。

    64歳以下で退職して基本手当を受給する場合は受給中に年金が停止されますが、65歳以上の高年齢求職者給付金にはこの制限がありません。

    受給資格の条件は基本手当と同様で、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あることが必要です。

    申請はハローワークで行い、離職票と本人確認書類などを持参します。

    失業保険に関するよくある疑問

    失業保険の手続きを進める中で、税金・確定申告・不正受給のペナルティについて正確に知っておかないと、知らぬ間に損をしたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりするケースがあります。

    ここでは実際に多く寄せられる疑問に対して、根拠となる法令・制度をもとに正確に答えます。

    Q失業保険に税金はかかるのか
    A

    失業保険の基本手当には所得税も住民税もかかりません。

    これは雇用保険法第12条に「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない」と明記されているためです。

    非課税扱いの対象となるのは基本手当だけでなく、再就職手当・就業促進定着手当・技能習得手当など、雇用保険の失業等給付全般が含まれます。

    これらの金額はいずれも所得税法第9条に基づき「非課税所得」として扱われます。

    住民税は前年の所得をもとに計算されるため、退職前の年に給与収入があった場合、失業中であっても翌年度の住民税が請求されることがあります。

    この住民税は失業保険が原因ではなく、退職前の給与に対して課税されたものです。

    また、失業保険は税法上の所得に含まれないため、配偶者控除や配偶者特別控除の判定(年収123万円以下など)においても影響しません。

    社会保険の扶養(健康保険)については基本手当日額3,612円以上で外れる基準がある一方、税法上の扶養については失業保険の受給は影響しないという違いを整理しておくことが大切です。

    Q確定申告は必要になるのか
    A

    失業保険の基本手当のみを受け取っている場合、それ自体を理由とした確定申告は必要ありません。

    非課税所得のため、申告書に記載する義務もありません。

    状況理由
    年の途中で退職し、再就職しなかった年末調整が未実施で、源泉徴収されすぎた所得税が還付される可能性がある
    再就職したが前職の源泉徴収票を提出し忘れた失業期間中の国民健康保険料・国民年金保険料が控除に含まれないまま年末調整が完了した可能性がある
    副業・フリーランスで20万円超の所得があった給与所得者の場合、副業所得20万円超は申告義務がある(所得税法)
    医療費控除・ふるさと納税の還付を受けたい自ら申告しなければ還付されない

    特に年の途中で退職し年内に再就職しなかった方は、毎月の給与から所得税が多く源泉徴収されている可能性があります。

    確定申告を行うことで、払い過ぎた所得税の還付を受けられるケースが多いです。

    再就職した場合でも、失業期間中に自己負担した国民健康保険料や国民年金保険料を新しい勤務先の年末調整で申告し忘れると、その分の控除が受けられないままになります。

    該当する場合は翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行うことで還付を受けられます(所得税法第120条)。

    確定申告の際に失業保険の受給額を収入として記入する必要はありません。

    申告書には給与収入・退職金・副業収入などのみを記入し、失業給付に関する欄は空白で問題ありません。

    Q不正受給が発覚した場合のペナルティ
    A

    失業保険の不正受給が発覚した場合、雇用保険法第10条の4に基づき以下の3段階のペナルティが課されます。

    1段階目は、不正に受け取った給付金の全額返還です。

    受給済みの給付金を一切残さず返還する義務が生じます。

    2段階目は、悪質と判断された場合の追徴金です。

    不正受給額に加えてその2倍相当の納付を命じられます。

    返還金と合計すると不正受給額の3倍になることから「3倍返し」と呼ばれます。

    延滞金は不正受給を開始した日を起算日として計算されるため、発覚が遅れるほど負担が増します。

    3段階目は、悪質性が高い場合の刑事告発です。

    詐欺罪として刑事事件に発展する可能性があります。

    不正の内容発覚の主な経路
    アルバイトを申告せず受給を続けるアルバイト先の給与支払報告書・税務申告からの照合
    就職後も受給を続ける社会保険加入記録とハローワーク記録のクロスチェック
    虚偽の求職活動実績を申告する求人応募先企業への調査

    マイナンバー制度の整備により、税務・雇用保険・社会保険の情報が連携されるようになったため、申告漏れや虚偽申告は以前よりも発覚しやすい状況です。

    「日払い・手渡しだからわからない」という認識は誤りであり、アルバイト先が給与支払報告書を提出した時点で把握されます。

    不正受給に気づいた場合は、早急にハローワークに自主申告することが重要です。

    自主申告した場合と発覚した場合とでは、追徴金の扱いや悪質性の判断に影響することがあります。

    意図せず申告漏れが発生したケースでは、悪意があるとは判断されない場合もありますが、いずれも放置することなく速やかに相談することが最善の対応です。

    参考・引用情報源