就活でやりたいことがわからない人が就活軸を見つける方法と内定戦略

就活を始めたものの、やりたいことがわからなくて悩んでいませんか。
就活でやりたいことを持てない状態は甘えではなく、多くの就活生が共通して感じている悩みです。
パーソル総合研究所の調査によると、就活でやりたい仕事を重視する学生の割合は2019年から大幅に低下しており、条件や適性を軸にする就活が主流になりつつあります。
本記事では、やりたいことがわからない原因・就活軸の作り方・志望動機の組み立て方・向いていることを軸にした戦略・無料の相談先まで、公的機関のデータをもとに具体的な手順で解説します。
- やりたいことがわからない就活生が全体の過半数という事実と、悩む必要がない根拠
- 自己分析・他己分析・診断ツールを使った就活軸の見つけ方の手順
- やりたいことがなくても選考で通る志望動機と企業選びの軸の作り方
- 向いていることを軸にすると入社後の活躍につながりやすい理由とメカニズム
- 無料で使えるキャリア相談先と適職診断ツールの種類と特徴
就活でやりたいことがわからないのは甘えではない

就活でやりたいことがわからないのは、大多数の就活生が抱える共通の悩みであり、甘えでも怠慢でもない。
近年の調査では、就活生の価値観が大きく変化していることが確認されています。
パーソル総合研究所が2025年2月に実施した新卒就活の変化に関する定量調査によると、就活で重視することとして「やりたい仕事ができること」を挙げる学生の割合が2019年と比較して大幅に低下しました。
代わりに重視されるようになったのは、勤務時間や勤務場所など働き方の柔軟性です。
就活生の価値観そのものが、やりたいこと優先から、生活の質や安定を重視する方向へとシフトしています。
やりたいことがわからないまま就活に臨む学生は、決してめずらしい存在ではありません。
マイナビが2026年卒学生を対象に実施した活動実態調査でも、未内定学生が困っていることとしてやりたいことがわからないという声が複数挙がっており、活動中の学生に広く共通する悩みであることが示されています。
やりたいことを持っていないことへの罪悪感や焦りを感じている人もいるのではないでしょうか。
ただ、焦りの感情自体が問題を解決するわけではありません。
大切なのは、やりたいことがない状態を正確に理解し、次の行動につなげることです。
やりたいことがわからない就活生は全体の何割いるのか
やりたいことがわからないと感じる就活生は、全体の過半数に上るとみられており、特別な少数派ではない。
リクルートワークス研究所が公開した就活生のメンタルヘルスに関する研究では、卒業後にやりたいことが見つからないという不安は、就活生のうつ・不安リスクと統計的に有意な関連があることが確認されています。
就活期にやりたいことがわからないという悩みを抱える学生が相当数存在することを、研究データが裏付けています。
マイナビの2026年卒大学生就職意識調査では、就職観として「楽しく働きたい」が38.9%でトップを占めました。
楽しく働きたいがやりたいことは決まっていないという状態が、就活生の間でもっとも標準的な出発点といえます。
パーソル総合研究所の2025年調査では、成長意欲ややりたいこと志向が、2019年と比較してともに大幅に低下したことが明らかになりました。
就活生全体の意識がシフトしており、個人の意識や努力の問題として捉えるのは適切ではありません。
| 比較軸 | 2019年卒 | 2025年卒 |
|---|---|---|
| 就活で最も重視すること | やりたい仕事・成長重視が高い | 働き方の柔軟性・ワークライフバランスが上位 |
| やりたいこと志向 | 高い | 大幅に低下 |
| 成長意欲 | 高い | 大幅に低下 |
| 就活開始時期 | 大学3年生冬が主流 | 大学2年生冬から2割が開始 |
出典:パーソル総合研究所「新卒就活の変化に関する定量調査」2025年7月発表
就活の開始が早期化しているにもかかわらず、やりたいことへの意識は下がっています。
やりたいことが見つからないまま就活を進めている学生は、年々増えているといえるでしょう。
やりたいことがない状態で就活を進めてよい理由

やりたいことがなくても、向いていることや大切にしたい価値観を軸にすることで、就活は十分に前進できる。
リクルートワークス研究所の研究では、やりたいことを問い続けることがかえって就活の意欲を低下させるケースがあること、そしてできることや強みを軸にした選考のほうが入社後の活躍につながりやすい可能性があることが示されています。
多くの仕事は、実際にやってみるまで自分に向いているかどうかわかりません。
就業経験のないまま情熱を持てる仕事を言語化するのは、構造的に難しいことです。
就活前の段階でやりたいことが明確に決まっていない学生のほうが、むしろ自然な状態といえます。
マイナビの2026年卒大学生就職意識調査では、企業を選ぶ際に安定していることを重視すると答えた学生が49.9%で6年連続トップでした。
やりたいことよりも安定や働きやすさを軸に選んでいる学生が、数のうえでは主流です。
就活の軸は、やりたいことでなくても十分に成立します。
避けたいこと、大切にしたい条件、強みが活かせる環境など、やりたいこと以外の切り口で軸を作ることは、採用担当者にも伝わります。
やりたいことがないからといって、就活の方向性を見つけられないわけではありません。
就活でやりたいことがわからない原因として多い3つのパターン

就活でやりたいことがわからない原因は、自己分析の不足、業界・職種情報の少なさ、やりたいことの定義のハードルを上げすぎているという3つのパターンに集約される。
やりたいことが見えない状態は、やる気や情熱が足りないからではありません。
多くの場合、具体的な原因が存在しており、原因を正確に把握することで対処の方向性が定まります。
就職みらい研究所が発表した就職白書2025によると、就職先を確定する際に自分が重視する基準が分からなかった学生のうち65.8%が、後から安易に決めてしまったと感じていると回答しました。
自分の基準が見つからないまま就活を進めることが、後悔につながるケースは多くあります。
やりたいことが見つからない原因を把握し、正しい対処法につなげることが、就活の方向性を定める近道といえます。
自己分析の量と質が足りていない場合
就活軸が定まらない学生の多くは、自己分析の量と質のどちらかが不十分なことが原因として挙げられる。
リクルートマネジメントソリューションズが実施した2025年新卒採用 大学生の就職活動調査では、就活の軸が自己分析を通じて明確になったと答えた学生が34.7%で最多でした。
就活軸を見つけた学生の3人に1人以上が自己分析をきっかけにしており、自己分析の重要性が数値で確認されています。
注目すべきデータもあります。
就活ピーク期である7月を過ぎても軸が明確になっていないと回答した学生が2割存在したことです。
自己分析に取り組んでいても、深さや方法が不十分なケースが一定数あることを示しています。
自己分析が不十分になりやすい原因として多いのは、過去の経験を表面的にリストアップするだけで止まってしまうことです。
どんな場面で充実感を感じたか、逆に苦痛だったかという感情レベルまで掘り下げることが、価値観ややりたいことの発見につながります。
| 視点 | 不十分な取り組み例 | 質の高い取り組み例 |
|---|---|---|
| 過去の経験 | 経験をリストアップして終わり | 各経験での感情・学びを言語化する |
| 強みの把握 | 苦手ではないことを強みとする | 他者と比較して得意なことを特定する |
| 価値観の整理 | 漠然と好きなことを並べる | 避けたいこと・嫌なことから逆算する |
| 振り返りの量 | 1〜2回で終わらせる | 複数回繰り返しブラッシュアップする |
自己分析は1回で完成するものではありません。
就活を進めながら何度も更新していくものとして捉えると、途中でやりたいことが見えてくることも少なくないでしょう。
仕事や業界についての情報が少なすぎる場合
業界・職種についての情報が不足していると、比較する材料がないためやりたいことが見つかりにくい。
リクルートマネジメントソリューションズの2025年新卒採用調査によると、就活生のインターンシップ参加率は8割に達しており、参加によって働くイメージを持つことができたことが、志望度向上の最大要因として挙げられました。
実際に仕事に触れることの効果が、データからも裏付けられています。
やりたいことがわからないと感じる大きな理由の1つに、実際の仕事内容を知らないことがあります。
学生の段階では接したことのない業務がほとんどであり、名前しか知らない職種に対して情熱を持つことは構造的に難しいといえます。
営業職一つをとっても、法人営業・個人営業・インサイドセールスなど種類は多く、業界によって業務内容や働き方は大きく異なります。
情報収集の段階で職種のイメージが漠然としている場合、やりたいことが見えにくくなるのは当然といえるでしょう。
業界・職種情報の収集に効果的な手段として、インターンシップやOB・OG訪問が挙げられます。
採用サイトや説明会では伝わらない現場の実情や具体的な業務内容を知ることで、やりたい・やりたくないの判断材料が増えます。
情報の量を増やすことが、やりたいことの解像度を上げる第一歩です。
やりたいことの定義を難しく考えすぎている場合
やりたいことを一生かけて追いかける情熱のある仕事と定義してしまうことが、かえって見つからない状態を生み出している。
就活生の多くは、やりたいことという言葉を聞いたとき、夢や使命感のような大きなテーマとして捉えてしまう傾向があります。
基準が高すぎると条件を満たすものが見つからず、何もやりたいことがないという結論になりやすくなります。
リクルートワークス研究所の研究でも、やりたいこと探しの不安そのものが、仕事や業界についての主体的な学習意欲を下げてしまう可能性が指摘されています。
やりたいことを探し続けることが行動を妨げるケースがあるということです。
就活におけるやりたいことは、生涯の使命感や夢である必要はありません。
人と話すことが好き、数字を整理するのが得意、誰かの役に立っていると実感できる仕事がしたいという程度の解像度で十分に就活軸として機能します。
やりたいことの定義を現実的にするポイントを以下にまとめます。
- 好き・得意・苦にならないのどれかに当てはまれば、就活のやりたいこととして十分
- 転職が一般化した現在、最初の会社で一生のやりたいことを決める必要はない
- 入社後に見つかるやりたいことも多く、最初は環境や働き方から選んでも問題ない
厚生労働省の雇用動向調査によると、労働者の転職入職率は近年10%前後で推移しています。
最初の就職先が一生の仕事を決定するわけではなく、社会人になってからやりたいことを見つけていくことも、現実的なキャリアの歩み方といえます。
やりたいことがわからない人が就活軸を見つける手順

就活軸は、過去の経験の棚卸し、強みと価値観の言語化、客観的な診断ツールの活用という3つの段階を踏むことで見つけることができる。
やりたいことが見つからないまま就活を進めても、軸のない状態では企業選びも志望動機作成も難しくなります。
手順を踏んで自己理解を積み上げることで、漠然とした感覚を具体的な言葉に変えていくことができます。
リクルートマネジメントソリューションズが実施した2025年新卒採用 大学生の就職活動調査では、就活の軸が明確になったきっかけとして自己分析を通じてと回答した学生が34.7%で最多でした。
体系的な自己分析が就活軸の発見に最も効果的であることが、データからも確認されています。
手順を意識せずに闇雲に考えるだけでは、時間をかけても軸が定まらないケースが多くあります。
3つのステップを順に踏むことで、就活の方向性を着実に定めていきましょう。
過去の経験から好きなこと嫌いなことを洗い出す方法
就活軸を見つける第1ステップは、幼少期から現在までの経験を振り返り、充実感を感じた場面と苦痛だった場面を書き出すことである。
過去の経験を可視化する方法として、モチベーショングラフの活用が有効です。
横軸を時間、縦軸をモチベーションの高低に設定し、人生の各時期の出来事と感情の動きをグラフで表す手法です。
どんな状況でやる気が上がり、何が起きたときに気力が落ちたかを視覚的に把握できます。
グラフを作成する際のポイントは、成功体験だけでなく失敗や苦労した経験も正直に記録することです。
モチベーションが低かった場面に、自分が本質的に避けたいことや苦手なことが隠れており、就活軸の逆算材料として非常に有効です。
過去の経験を整理する際は、次の3つの問いを各出来事に対して書き出していきましょう。
- なぜその行動を選んだのか(動機の把握)
- 取り組んでいるときにどんな感情があったか(感情の棚卸し)
- 終わったときに充実感があったか、それとも疲弊感が強かったか(エネルギーの方向性)
好きなことを見つけるより、嫌いなことを明確にするほうが速い場合があります。
就活では嫌いなことの消去法で方向性を絞ることも有効な手段です。
苦痛を感じた経験の共通点を探すことで、避けるべき環境や職種が浮かび上がってきます。
強みと価値観から就活軸を言語化するステップ

強みと価値観を組み合わせて言語化することで、面接でも通用する就活軸になる。
強みを見つける方法として、自己分析と他己分析の2段階を踏む方法があります。
自己分析では、過去の経験の中でほかの人より自然にうまくできたことや、継続できたことを洗い出します。
他己分析では、家族や友人、ゼミの同期など3人以上から自分の強みと思うことを聞き出し、複数人の意見に共通して挙がった特徴を強みとして特定します。
就職みらい研究所が発表した就職白書2025によると、就職先を確定する際に自分が重視する基準が分からなかった学生のうち65.8%が後悔を感じていました。
価値観を言語化しておくことが、後悔のない就活につながるといえます。
価値観を整理するためには、以下の問いに答えてみるとよいでしょう。
- 仕事で絶対に譲れないことは何か(必須条件)
- 仕事で絶対に避けたいことは何か(禁止条件)
- 10年後どんな状態でありたいか(将来像)
強みと価値観が出そろったら、就活軸を次の型で言語化します。
| 要素 | 内容の例 |
|---|---|
| 強みを活かせる環境 | 人と関わりながら成果を出せる仕事 |
| 価値観に合う条件 | 成長できる環境・フィードバックを得やすい職場 |
| 避けたい要素 | 一人で完結する業務が中心、成果が見えにくい |
| まとめた軸の例 | 人と協力して目標に向かい、成長を実感できる仕事 |
強みと価値観の掛け合わせで就活軸を作ることで、面接で企業選びの理由を聞かれた際にも自分の言葉で答えられる状態になります。
向いている仕事を無料診断ツールで確認する方法

自己分析で出た強みや価値観を、無料の適職診断ツールで客観的に検証することで、就活軸の精度が上がる。
自己分析だけでは主観に偏りが生じやすい面があります。
診断ツールを補助的に活用することで、自分では気づいていない興味の傾向や職業適性を客観的に確認できます。
公的機関と大手就活サービスが提供している無料ツールを以下に整理します。
| ツール名 | 提供元 | 特徴 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| VPI職業興味検査 | 厚生労働省・ハローワーク | 160の職業名への興味の有無を回答し、6つの興味領域で職業適性を測定。ハローワーク窓口で受検可能 | 約15〜20分 |
| キャリアインサイト | 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 | 仕事への興味、職業能力の自己評価、価値観の3方向から適職を診断。パソコン上で操作 | 約40〜60分 |
| 適性診断MATCHplus | マイナビ | 就活向けに設計された強みと職種適性を診断するツール。マイナビ登録後に無料で受検可能 | 約15〜30分 |
ハローワークが提供するVPI職業興味検査は、厚生労働省が監修した公的な適性検査です。
160の職業名に対して興味がある・ないを回答するだけで、現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的という6つの興味領域のどこに傾向があるかが分かります。
全国の新卒応援ハローワークで無料受検でき、就職支援ナビゲーターとの相談もセットで受けられます。
診断ツールの結果は参考の1つとして捉え、過信しすぎないことが重要です。
診断結果と自己分析の結果を照らし合わせ、両方に共通して出てきた傾向を就活軸の根拠として活用するとよいでしょう。
やりたいことがわからない状態で業界と職種を絞り込む方法

やりたいことがわからない状態でも、業界を広く見てから条件で絞る、文系・理系の傾向を参考にする、インターンシップで実体験を積むという3つの手順で業界と職種を絞り込むことができる。
やりたいことが明確でなくても、業界・職種選びは進められます。
やりたいことが先にないと就活が始められないわけではなく、業界と職種を探る過程でやりたいことが見えてくるケースも多くあります。
文部科学省と厚生労働省が共同で実施した調査によると、2025年3月大学卒業者の就職率は98.0%でした。
高い就職率の背景には、業界・職種を問わず幅広く選択肢を持って就活を進めた学生が多かったことも一因として挙げられます。
業界と職種の絞り込みは、やりたいことが見つかった後に行うものではなく、絞り込む過程でやりたいことが見えてくるプロセスとして捉えることが重要です。
業界を広く見てから条件で絞り込む選び方
業界は最初から1〜2つに絞らず、まず10業界程度を横断的に調べてから条件で絞り込む方法が、やりたいことがわからない就活生に向いている。
業界を早期に絞りすぎると、自分に合う可能性のある選択肢を見落とすリスクが高まります。
やりたいことが明確でない段階では、広く業界を見渡してから条件で候補を絞っていく逆算のアプローチが有効です。
業界を大きく分類すると以下の7グループに整理できます。
| グループ | 代表的な業界 |
|---|---|
| メーカー | 食品・化学・自動車・電機・医薬品 |
| 商社・流通 | 総合商社・専門商社・小売・物流 |
| 金融 | 銀行・証券・保険・信用金庫 |
| サービス | 外食・旅行・ホテル・人材・教育 |
| IT・通信 | ソフトウェア・SIer・通信キャリア |
| インフラ | 電力・ガス・鉄道・建設・不動産 |
| マスコミ・広告 | 新聞・テレビ・広告代理店・出版 |
全グループに目を通した後、以下の条件で絞り込むと業界候補が3〜5つに絞れます。
- 避けたい業界はあるか(無関心・苦手意識の強い分野を除外)
- 働く環境の条件は合うか(残業・転勤・シフト制など)
- 業界の将来性や安定性は許容範囲か
業界を1つに決める必要はありません。
3〜5業界を並行して研究しながら、説明会やインターンシップで解像度を高めていくことが、やりたいことの発見にもつながります。
文系と理系それぞれが選びやすい職種の傾向

文系は対人・コミュニケーション系の職種に、理系は専門知識を活かす技術・研究職に就きやすい傾向があるが、文系でも技術職に就けるケースは増えている。
文系・理系によって選びやすい職種には一定の傾向があります。
ただし就職先の幅は年々広がっており、文系からIT系職種に就く学生も増加しています。
自分の学科だけで職種の選択肢を狭めず、興味のある職種から逆算して業界を見ることも有効です。
文系・理系それぞれが選びやすい主な職種の傾向を以下に整理します。
| 区分 | 選びやすい職種 | 業界例 |
|---|---|---|
| 文系 | 営業職・法人営業・個人営業 | 金融・メーカー・商社・不動産 |
| 文系 | マーケティング・企画 | 広告・消費財メーカー・IT |
| 文系 | 人事・総務・経理などの管理部門 | 業界問わず |
| 文系 | カスタマーサポート・販売 | 小売・サービス・通信 |
| 理系 | 開発・設計・研究 | 化学・電機・自動車・医薬品 |
| 理系 | システムエンジニア・プログラマー | IT・SIer・通信 |
| 理系 | 生産管理・品質管理 | 製造業全般 |
| 文理共通 | コンサルタント・ITコンサル | コンサル・SI |
文系が営業職に就きやすい理由の1つは、多くの企業が業界知識より対人スキルやコミュニケーション能力を重視して採用しているためです。
入社後に製品知識や業界知識を身につけることを前提とした採用が文系職種では一般的です。
理系は専攻分野と関連した職種への就職が有利になる場合が多い反面、専攻外の業界・職種にも積極的に挑戦できます。
理系でも金融・商社・コンサル等を目指す学生は多く、理系の論理的思考力を武器に文系職種で活躍するケースも珍しくありません。
インターンシップをやりたいこと探しに活用する方法
インターンシップは業界・職種の疑似体験ができる場であり、やりたいことが見つからない就活生こそ積極的に活用すべき手段である。
就職みらい研究所が2025年卒学生を対象に実施した調査によると、3月時点でのインターンシップ等への参加率は84.7%、平均参加社数は8.72社でした。
就活生の大多数がインターンシップを通じて業界・企業の理解を深めていることがわかります。
またマイナビが2025年卒学生に実施した調査では、インターンシップ・仕事体験への参加率は89.5%で調査開始以来最高値を記録しました。
参加目的の上位は業種理解・仕事理解がともに7割程度を占めており、インターンシップがやりたいことを探す手段として広く使われていることが示されています。
インターンシップをやりたいこと探しに活かすためのポイントは以下の3点です。
- 興味がない業界でも1社は体験してみる(思い込みで除外しない)
- 参加前後で自分の印象がどう変わったかを記録に残す
- 参加後に職場の雰囲気・業務内容・社員の様子で何を感じたかを振り返る
パーソル総合研究所の2025年調査では、インターンシップへの入社意欲と最も相関が高かった項目は職場の雰囲気や社員の様子といったリアリティが分かる体験でした。
やりたいことが見つからない人ほど、仕事の現場のリアルな雰囲気を肌で感じることで、業界・職種の好き嫌いが明確になっていきます。
インターンシップは選考に直結するものだけでなく、業界理解を深めるための1日〜数日間の短期プログラムも多く存在します。
志望業界が決まっていない段階でも参加しやすいため、まず動くことから始めることをおすすめします。
やりたいことがなくても志望動機とESをまとめる方法

やりたいことがなくても、なぜこの会社か、自分の強みをどう活かすか、入社後にどう成長したいかという3つの要素で志望動機とESをまとめることができる。
就活で問われる志望動機は、やりたい仕事への情熱だけが評価されるわけではありません。
企業が知りたいのは、その学生が自社で活躍できるかどうか、長く働いてくれるかどうかという点です。
日本の人事部が2025年に発表した人事白書によると、2025年卒採用の選考で企業が最も重視した能力は「コミュニケーション能力」で82.0%、次いで「協調性」が56.4%でした。
やりたいことの明確さよりも、人柄や対人能力が採用判断に大きく影響していることがデータから確認されています。
就職白書2025でも、企業が採用基準で最重視する項目として人柄がトップに挙げられており、成長ポテンシャルや企業への熱意も上位に入っています。
やりたいことがなくても、人柄・強み・成長意欲を軸に志望動機をまとめることは、採用担当者の評価基準に沿った方法といえます。
やりたいことがなくても通る志望動機の組み立て方
志望動機は、自分の強みと企業の特徴の接点を言語化し、入社後のビジョンをセットで添えることで、やりたいことがなくても成立する。
志望動機の基本構造は、なぜその業界か、なぜその企業か、入社後に何を実現したいかという3段階に分かれます。
やりたいことがない場合でも、各段階を強みや価値観から逆算することで文章が組み立てられます。
| ステップ | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 1. なぜこの業界か | 自分の価値観・避けたい環境から業界を選んだ理由を述べる | 直接人と関わりながら成果を出せる仕事がしたいため営業・サービス業界を選んだ |
| 2. なぜこの企業か | 競合他社との違いを具体的に述べる | 説明会と企業訪問で〇〇という点が他社にない特徴と感じた |
| 3. 入社後のビジョン | 強みをどう活かし、どう成長したいかを述べる | 継続力と対人スキルを活かして顧客との長期関係を築きながら提案力を高めたい |
志望動機でやりたいことへの言及が必要な場合は、情熱的なやりたい仕事よりも、自分が大切にしたい価値観や避けたいことを裏返した表現に置き換えることが有効です。
やりたいことがない場合のNG表現と、代替表現の具体例を以下に示します。
- NG表現:御社の事業に興味があります → 代替:御社の〇〇という取り組みが、自分が大切にしている△△という価値観と合致していると感じました
- NG表現:成長できる環境で働きたいです → 代替:入社後5年で〇〇の分野で専門性を高め、△△という形で貢献したいと考えています
- NG表現:人と関わる仕事がしたいです → 代替:大学時代に〇〇の経験を通じて身についた対人スキルを、法人向け営業職で活かしたいと考えています
志望動機の文章は、結論から述べる構成にするとより読みやすくなります。
最初の1〜2文で結論を述べ、その後に理由と根拠となるエピソードを添える順序が基本です。
企業選びの軸を面接で聞かれたときの答え方

企業選びの軸は、避けたいこと・大切にしたい条件・強みの活かし方の3点を組み合わせることで、やりたいことがない状態でも具体的に答えられる。
面接で企業選びの軸を聞かれる目的は、学生が自社にマッチするかどうかを確認することです。
やりたいことが明確でなくても、軸がきちんと言語化されていれば採用担当者への印象は変わりません。
就職白書2025によると、就職先決定を振り返り安易に決めてしまったと感じると回答した学生は全体の43.6%に上りました。
自分の軸をしっかり持って意思決定した学生との差は、面接での受け答えにも表れます。
企業側は、学生が自分なりの基準で会社を選んでいるかどうかを見ています。
やりたいことを軸にしない場合の回答構成例を以下に示します。
軸を作る3つの要素として、まず自分が絶対に避けたい働き方を1つ挙げます。
次に大切にしたい条件として成長環境・チームワーク・安定性など具体的な要素を1〜2つ挙げます。
最後に自分の強みを活かせる環境を結びつけます。
回答例として以下の構成が活用できます。
軸の例:長期的な関係性を築きながら働ける環境
企業を選ぶ際に重視しているのは、社員と顧客の両方と長期的な関係を築きながら働ける環境です。
大学時代に〇〇の活動を通じて、短期的な成果より継続的な信頼関係の構築にやりがいを感じてきました。
転勤が少なく、同じ担当エリアや顧客を長く持てる営業スタイルをとっている御社の体制が自分の価値観と合うと感じ、志望しています。
この構成では、やりたいことを直接述べるのではなく、大切にしたいことと過去の経験を結びつけて軸を言語化しています。
やりたいことがない状態でも、避けたいことと価値観を起点にすることで具体的な軸として成立します。
面接での受け答えに一貫性を持たせるためには、軸→エピソード→入社後のイメージという順序で答えを準備しておくとよいでしょう。
ESに書いた内容と面接での回答がずれないよう、自己分析の段階で軸を言語化しておくことが重要です。
やりたいことよりも向いていることを軸にした就活戦略

向いていることを軸に就活を進めることは、入社後の活躍につながりやすく、やりたいことが見つからない就活生にとって最も現実的な戦略の一つである。
リクルートワークス研究所の研究によると、やりたいこと探しの不安を抱え続けることが、入社前の仕事・組織に対する理解度を下げてしまう可能性が指摘されています。
できることや強みを軸にした採用選考のほうが、入社後の活躍につながりやすいという見解が研究ベースで示されています。
マイナビが2027年卒学生を対象に実施した就職意識調査では、企業を選ぶポイントとして給料の良い会社が5年連続増加し、自分のやりたい仕事ができる会社を上回りました。
やりたいことより条件や適性を重視した就活は、特別な考え方ではなく、主流になりつつあるといえます。
向いていることを軸に据えることで、就活の方向性が定まりやすくなるだけでなく、入社後に強みを発揮しやすい環境に就職できる可能性が高まります。
向いていることを軸にした場合の企業と職種の選び方
向いていることを軸に企業と職種を選ぶ際は、自分が自然にうまくできること・苦にならないことを起点に、それが活かせる職種を探す順序で進めることが有効である。
向いていることを特定するための3つの切り口を以下に整理します。
| 切り口 | 内容 | 自問の例 |
|---|---|---|
| 自然にうまくいくこと | 努力なしに他の人よりうまくできること | 人に何かを説明すると感謝されることが多い |
| 継続できること | 興味が続いて苦にならないこと | 数字を扱う作業が長時間続いても苦痛にならない |
| 他者から評価されること | 周囲から繰り返しほめられること | 段取りがうまいと言われることが多い |
向いていることと職種の対応関係として、以下のような方向性が参考になります。
- 人と話すことが自然にうまくいく → 営業・接客・カスタマーサポート・人事
- 情報を整理・分析することが得意 → 経営企画・マーケティング・経理・データ分析
- 物を作ったり手を動かすことが苦にならない → 製造・品質管理・エンジニア・設計
- 文章を書くことが自然にできる → 広報・マーケティング・編集・企画
- 人の相談に乗ることが苦にならない → 営業・コンサル・キャリアアドバイザー
向いていることを軸に企業を選ぶ際は、職種を先に絞り、次に職種が活かせる業界・企業規模・職場環境の条件で候補を絞る方法が有効です。
やりたいことから逆算するのではなく、得意なことが活かせる環境から選ぶ順序が、やりたいことがわからない就活生に合っています。
向いていることが明確でない段階では、前章で紹介したモチベーショングラフや他己分析を先に実施して、まず向いていることの候補を洗い出してから企業選びに進むとよいでしょう。
入社後にやりたいことが生まれるメカニズムとキャリアの考え方

やりたいことは就活前ではなく、仕事を経験する中で見つかることが多く、入社後のキャリア形成を見据えた長期的な視点で捉えることが重要である。
マイナビが2025年卒を対象に入社半年後に実施した調査では、インターンシップに5日以上参加した学生は転職意向が参加なし群の半数以下に抑えられており、事前の実体験が入社後の定着にも影響することが示されています。
就活段階での仕事体験が少ないほど、入社後のリアリティショックにつながりやすいといえます。
やりたいことが仕事を通じて生まれるプロセスとして、以下のような段階をたどるケースが多く見られます。
最初の段階は、向いていることを活かせる環境に入ることです。
得意なことが評価される環境に就職することで、仕事の成果が出やすくなります。
次の段階では、成果が出ることで周囲から認められる体験が増えます。
認められることで仕事への自信が生まれ、同時にその分野への興味が高まっていきます。
最終的に、興味が深まった領域で自分なりの専門性や課題意識が生まれ、やりたいことが言語化されていきます。
この流れは、やりたいことを先に持ってから仕事を選ぶのではなく、仕事を通じてやりたいことが育まれるというキャリアの実態を示しています。
厚生労働省が提供するジョブ・カードの活用指針でも、キャリアは就職活動時点で完成するものではなく、職業経験とともに変化・発達し続けるものとして捉えられています。
やりたいことが就活の段階で決まっていないことは、キャリア形成の本来の姿からみて自然なことといえます。
就活では入り口の質より、入社後に強みを発揮できるかどうかを見据えた選択が重要です。
向いていることを軸に選んだ職場で力を発揮し続けることが、やりたいことが育まれる土台になります。
やりたいことがわからない就活生が頼れる無料の相談先

やりたいことがわからない状態の就活生が無料で頼れる相談先は、大学キャリアセンター、新卒応援ハローワーク、就活エージェントの3種類が主な選択肢として挙げられる。
一人で自己分析や業界研究を進めることに限界を感じたとき、第三者の視点が突破口になることがあります。
無料で利用できる相談先には種類があり、それぞれに強みと対象が異なります。
ベネッセ i-キャリア(dodaキャンパス)が実施した調査によると、大学2・3年生のキャリアセンター利用率は50.8%にとどまっています。
半数近くの学生が活用できていない状況の中、無料の相談先を知っておくことは就活の大きな武器になります。
キャリアセンターと就活エージェントの使い分け方
キャリアセンターは在学中の基本的な就活サポートに、就活エージェントは求人紹介と個別サポートを一括して受けたいときに向いており、目的によって使い分けることが重要です。
やりたいことがわからない就活生が利用できる主な無料相談先は、大きく3種類に分かれます。
それぞれのサービス内容と特徴を以下に整理します。
| 相談先 | 運営元 | 主なサービス | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 大学キャリアセンター | 各大学 | 就活相談・ES添削・模擬面接・求人紹介・OB/OGネットワーク紹介 | 在学中で学校のネットワークを活かしたい学生 |
| 新卒応援ハローワーク | 厚生労働省 | 個別職業相談・ES添削・模擬面接・職業適性検査・求人情報検索 | 在学中から卒業後3年以内の学生・既卒者 |
| 就活エージェント | 民間企業 | キャリア面談・自己分析サポート・求人紹介・選考対策・内定後のフォロー | 求人紹介も含めた一括サポートを受けたい学生 |
大学キャリアセンターの最大の強みは、OB・OGネットワークへのアクセスと、大学ごとに蓄積された就活情報にあります。
大学と取引のある企業の求人情報や、過去の就活生のES実例を閲覧できるケースが多く、やりたいことを探す情報収集の入り口として有効です。
新卒応援ハローワークは、厚生労働省が全国に設置している公的就職支援機関です。
就職相談・ES添削・模擬面接の3つの基本メニューに加え、職業適性検査や職業興味検査(VPI)を無料で受けられます。
在学中だけでなく、卒業後3年以内の既卒者も利用できる点が特徴です。
担当者制による個別支援を行っており、継続的な相談が可能です。
就活エージェントは民間企業が運営するサービスです。
学生は無料で利用でき、費用は採用企業側が負担する仕組みです。
自己分析のサポートから求人紹介・選考対策・内定後フォローまで一括して受けられる点が強みです。
やりたいことがわからない状態でも相談を受け付けているエージェントが多く、担当アドバイザーとの対話を通じて就活の方向性を探っていくことができます。
キャリアセンターと就活エージェントはどちらか一方に絞る必要はなく、目的に応じて並行利用することもできます。
やりたいことの探索にはキャリアセンターを、求人紹介と選考対策には就活エージェントをというように組み合わせると、それぞれの強みを活かした就活が進められます。
自己分析に役立つ無料診断ツールまとめ
自己分析に活用できる無料ツールは、公的機関提供のものから大手就活サービスのものまで複数あり、複数のツールを組み合わせることで自己理解の精度が上がる。
就職みらい研究所が2024年度に実施した大学の就職・キャリア支援状況に関する調査によると、就職・キャリア支援の課題として就職支援に対する学生の利用数・率の低さを挙げた大学が54.6%に達しました。
ツールや相談先があっても使い方がわからず活用できていない学生が多い現状が示されています。
やりたいことがわからない就活生に役立つ主要な無料診断ツールを目的別に以下に整理します。
| ツール名 | 提供元 | 診断の種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| VPI職業興味検査 | 厚生労働省・ハローワーク | 職業興味 | 160の職業名への興味の有無を回答し、6つの興味領域を測定。全国の新卒応援ハローワークで無料受検可能 |
| キャリアインサイト | 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 | 職業興味・職業能力・価値観 | 3方向から適職を診断。パソコン上で操作、約40〜60分 |
| job tag | 厚生労働省 | 職業適性・職業興味 | 約500の職業情報を検索でき、適職診断機能も搭載。スマートフォン対応 |
| 適性診断MATCHplus | マイナビ | 強み・職種適性 | 就活向けに設計された診断ツール。マイナビ登録後に無料受検 |
| リクナビ診断 | リクルート | 職業傾向・価値観 | リクナビ登録後に無料利用可能。就活軸の参考に活用できる |
厚生労働省が提供するjob tagは、職業情報提供サイトとして約500の職業情報を収録しており、フリーワードや職種カテゴリー、スキル・知識などの多様な切り口から職業を調べることができます。
各職業の仕事内容は文字情報だけでなく動画でも確認でき、実際の職場環境や働き方を具体的にイメージしやすい設計になっています。
診断ツールを活用する際の注意点として、1つのツールの結果だけで職種や業界を決めてしまわないことが重要です。
診断結果は参考の一つであり、自己分析で出た強みや価値観の傾向と照らし合わせ、複数のツールで共通して出てきた傾向を就活軸の根拠として活用することをおすすめします。
やりたいことがわからない就活生からよくある質問
やりたいことがわからない就活生からよく寄せられる疑問に対して、データと現場の経験をもとに直接回答する。
- Qやりたいことがないまま就活を続けていいですか
- A
やりたいことがないまま就活を続けることは問題なく、むしろ多くの就活生が同じ状態で就活を進めている。
パーソル総合研究所が2025年に実施した調査では、就活で重視することとして「やりたい仕事ができること」を挙げる学生の割合が2019年と比較して大幅に低下しました。
やりたいことが見つからない状態で就活を進める学生が主流になっているといえます。
やりたいことが見つからないまま軸も作らずに就活を続けると、後悔につながるリスクがあります。
就職みらい研究所「就職白書2025」では、就職先を確定する際に自分が重視する基準が分からなかった学生の65.8%が安易に決めてしまったと感じていることが示されています。
やりたいことがなくても、大切にしたい条件や避けたい環境を言語化した就活軸を持つことが重要です。
軸がある状態で就活を続けることで、入社後の後悔を防ぐことができます。
- Q自己分析をやっても何もわからないときはどうすればいいですか
- A
自己分析をやっても何もわからないときは、やり方を変えるか、第三者の力を借りる段階に来ているサインと捉えることが有効である。
自己分析が行き詰まる主な原因は3つあります。
過去の経験の表面しか振り返っていない、主観に偏りすぎている、やりたいことを見つけることを目的にしすぎているという点です。
行き詰まったときに試せる対処法を以下に整理します。
– 自己分析の手法を変える:モチベーショングラフや自分史など、別の切り口で過去を掘り下げる
- 他己分析を行う:家族・友人・ゼミの同期など3人以上に自分の強みと弱みを聞く
- 第三者に相談する:大学キャリアセンターや新卒応援ハローワーク、就活エージェントに相談する
- 診断ツールを使う:ハローワークのVPI職業興味検査や厚生労働省のjob tagで客観的な傾向を確認する
リクルートマネジメントソリューションズの調査では、就活のピーク期を過ぎた7月時点でも軸が明確になっていない学生が2割存在しています。
自己分析が進まない状態は特別ではありません。
手法と相談先を変えることで打開できるケースが多くあります。
- Qやりたいことより給料や安定で会社を選んでもいいですか
- A
給料や安定を軸に会社を選ぶことは問題なく、現在の就活生の多数が同じ基準で選択している。
マイナビが2027年卒学生を対象に実施した就職意識調査では、企業を選ぶポイントとして給料の良い会社が5年連続増加し、自分のやりたい仕事ができる会社を初めて上回りました。
また、マイナビ2026年卒大学生就職意識調査でも、安定している会社を重視する学生が49.9%で6年連続トップとなっています。
給料や安定を軸にすることは珍しいことでも妥協でもなく、データ上は主流の選択基準です。
働く環境や条件を重視することは、長期的に働き続けられる職場を選ぶうえで合理的な判断といえます。
給料や安定という抽象的な軸だけでは面接で伝わりにくい場合があります。
なぜ安定を重視するのか、どのような環境で安定して働きたいのかを一歩掘り下げて言語化することで、面接での回答の説得力が増します。
- Q就活エージェントに相談するとやりたいことが見つかりますか
- A
就活エージェントはやりたいことを直接見つける場ではないが、担当者との対話を通じて就活軸の整理を助けてもらえる可能性がある。
就活エージェントの主な役割は、学生のキャリア傾向を把握したうえで適した求人を紹介し、選考をサポートすることです。
やりたいことを見つけることを直接の目的としたサービスではありませんが、担当アドバイザーとの面談で自分が重視することや避けたいことを言語化していく過程で、方向性の整理につながるケースがあります。
やりたいことを見つける目的に特化したい場合は、大学キャリアセンターや新卒応援ハローワークの職業相談・適性検査を先に活用するほうが目的に合っています。
就活エージェントは軸がある程度整理できた段階で求人紹介と選考対策をセットで受けたいときに活用すると、より効果的に使いやすいといえるでしょう。
- Qやりたいことがわからないまま内定をもらえた人はいますか
- A
やりたいことがわからないまま内定を獲得した就活生は多く存在しており、特別なことではない。
パーソル総合研究所の2025年調査では、2025年卒学生の約6割が2社以上から内定を獲得しており、約8人に1人が5社以上の内定を得ていることが示されています。
やりたいことへの意識が大幅に低下しているにもかかわらず内定数が増加していることから、やりたいことがない状態でも内定を獲得できることが数字から確認できます。
やりたいことがわからなくても内定が出る理由として、企業が採用で最も重視するのはやりたいことの明確さではなく、コミュニケーション能力や人柄・成長ポテンシャルであることが挙げられます。
日本の人事部「人事白書2025」によると、採用選考で最も重視した能力はコミュニケーション能力で82.0%に上っています。
やりたいことがわからないまま内定を得ようとする場合に重要なのは、軸がある状態で選考に臨むことです。
軸がなければ志望動機も曖昧になり、面接で説得力が出にくくなります。
軸の作り方は本記事内で解説している手順を参考にしてみてください。
参考情報
本記事の作成にあたり、以下の公的機関・信頼性の高い調査機関の情報を参照しました。
- パーソル総合研究所「新卒就活の変化に関する定量調査」(2025年7月発表)
- 就職みらい研究所「就職白書2025」(2025年2月発表)
- マイナビキャリアリサーチLab「2026年卒大学生就職意識調査」
- マイナビキャリアリサーチLab「2027年卒大学生就職意識調査」
- リクルートワークス研究所「やりたいことより、できることを問う採用選考へ」
- リクルートマネジメントソリューションズ「2025年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」
- 文部科学省・厚生労働省「令和6年度大学等卒業者の就職状況調査」
- 日本の人事部「人事白書2025」(新卒採用の選考で重視した能力)
- 厚生労働省「新卒応援ハローワーク」
- 就職みらい研究所「大学の就職・キャリア支援状況に関する調査2024年度」




