【現代経営学科】留学生の「声」から日本の大学教育を考えるー現代経営学科・高柳青立さんが日本国際バカロレア教育学会で研究発表
2026年9月12日(土)~13日(日)、九州大学大橋キャンパスで「日本国際バカロレア教育学会 第11回大会」が開催されました。
本大会では、現代経営学科4年の高柳青立さんが口頭発表を行いました。発表タイトルは「国家バカロレア修了者が日本の高等教育で直面するギャップ ― マリ共和国出身留学生へのインタビュー調査から ―」。マリ共和国出身の留学生へのインタビュー調査をもとに、日本の高等教育への移行において国家バカロレア修了者が直面する課題について発表しました。

以下は、高柳くんが学会発表を振り返って、まとめたものです。
準備段階
本研究では、本学に在籍するマリ共和国の国家バカロレアを取得した留学生13名を対象に、すべて英語で半構造化インタビューを実施しました(実施期間:2026年6月23日〜7月7日)。異文化の背景を持つ彼らの生の声を正確に引き出すことや、得られた質的データを「M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)」を用いて21の概念に整理・分析する作業は非常に根気を要しましたが、先生からしっかりと指導を受けながら、粘り強く取り組んだことでうまく考察をまとめることができました。
調査の内容
今回の研究ではマリの国家バカロレア修了生が、日本の大学教育において直面する教育的・文化的なギャップを明らかにしました。彼らは日本の教育の「分かりやすさ」を評価する一方で、すぐに正解が提示される環境に対し「自分で考える機会が減少している(手をかけすぎる)」と感じていました。また、日本人学生の消極性や、教員とのビジネスライクな距離感に戸惑いつつも、それらを前向きに受容している姿が浮き彫りになりました。この結果を踏まえ、日本の実践的なアプローチと、マリの「自力で考える力を伸ばす教育」を融合した「ハイブリッド型教育」の導入や、双方向的な授業の必要性を提言しました。
発表について
9月12日に九州大学大橋キャンパスで発表を行いました。本番は少し緊張しましたが、これまでの準備を信じて、堂々と自分の研究成果を伝えることができました。

質疑応答の内容
質疑応答では、「『マリ共和国』という独自の教育背景を持つ留学生に焦点を当てた研究は珍しく、大変興味深い」といった温かいお言葉をいただきました。
一方で、比較対象がマリの高校から日本の大学へと「斜めの比較」となっている点や、今回浮き彫りになったギャップは、留学生が国家バカロレアという特有の学習背景を持っていることからの影響なのか、それともマリの根本的な教育や文化といった違いから来るものなのか曖昧になっている点、また「なぜ『マリ』なのか」という根本的なところについても鋭いご指摘をいただきました。これらは自身の卒業論文をさらに深めていく上で欠かせない重要な視点であり、今後の課題が明確になるとても有意義な時間となりました。
感想と成長の実感
今回の学会発表は、自分自身の卒業論文の一部として取り組んだものです。アフリカからの留学生13人に英語でインタビューを行うという、なかなか得られない非常に貴重な機会をいただきました。彼らは調査に対してとても協力的で、インタビュー自体も非常にスムーズに進行させることができ、深く感謝しています。
また、私自身にとって今回が3回目の学会発表となりましたが、回数を重ねるにつれて確かな成長を実感することができました。発表本番や質疑応答においては、事前に自分の研究内容をしっかりと理解し、どのような質問が来るかをあらかじめ把握して準備することができました。本番では、たとえ下手でも自分の言葉で一生懸命説明しようとする姿勢や、失敗を恐れずに堂々と答える度胸を身につけることができたと感じています。
これらの経験を通じて、学会発表は決して自分一人の力だけで成し遂げられるものではなく、ご指導いただいた先生方や協力してくれた留学生など、周囲のたくさんのサポートがあってこそ実現できるものだと改めて痛感しました。今後もこの感謝の気持ちを忘れずに、挑戦していきたいと思います。
以下は、指導教員の三垣先生のコメントです。
指導教員 三垣雅美先生より

三垣 雅美 准教授
現代経営学科には世界から多くの留学生が来ていますが、その環境を活かした研究テーマは非常に面白いと思います。高柳さんの研究は、留学生と日本人学生が共学する大学IPUにとって、有意義な示唆を与えてくれました。これからも、高柳さんの研究が深化し、ますます活躍してくれることを応援していきます。





