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IPU・環太平洋大学と連携して運営する社会福祉法人元気の泉「東岡山IPUこども園」が2024年(令和6)4月開園予定 !

IPU・環太平洋大学と連携した運営を計画する社会福祉法人元気の泉の「東岡山IPUこども園」が2024年(令和6)4月、岡山市中区の財田スポーツ広場に開園する。現在岡山市が運営する財田幼稚園、財田保育園、乙多見保育園、神下保育園の4園を統合し、民営化により認定こども園を設立することによって待機児童の解消を図るもので、定員318名という岡山県内で最大級の認定こども園(0歳の乳児から5歳の幼稚園児世代までが入園する施設)になる予定だ。

IPU・環太平洋大学と連携して運営する社会福祉法人元気の泉「東岡山IPUこども園」の完成予想図
目次

定員318名という県内で最大級の認定こども園の開園に向けて

IPUで保育マネジメント演習を担当し、現在こども園の開設準備室副室長を務める田部(たなべ)永子教授は「こどもが自分らしく、本当に『やりたい』遊びができる環境”〈楽〉習(がくしゅう)空間”を構成していきたい。その中で、こどもたちが、友だちや先生と一緒に”遊び”を作り出していくというコンセプトを大切にしたいと思っています」と、目を輝かせながら、新しいこども園の運営方針を話す。

こども園開設準備室副室長を務める田部永子教授

田部教授 子どもたちの成長には、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を通して体験していく遊びが大切です。砂であったり、土であったり、水であったり、音楽であったり。こうした遊びの1つとして、IPUとの連携は、新しい園の特徴です。

IPUに行けば、日本や世界のトップクラスで活躍する陸上や柔道のアスリートがいます。マーチングバンドの演奏は大迫力ですし、ダンスやチアリーディングの表現に感動するこどもたちもいるはずです。IPUスポーツ科学センターの専門家の先生方にアドバイスを受けて、足が速くなれば「自分は走るのが得意」という自信をつけてくれるかもしれません。こども発達学科で保育者を目指して学んでいる学生とのふれあいも楽しみです。IPUとの連携は子どもたちの体験を豊かにしてくれると期待しています。

“先進・最新で、あたたかくて、こどもにとって安心できる”こども園に

―園舎のコンセプトは”先進・最新で、あたたかくて、こどもにとって安心できる場所”。

“先進・最新”の部分では、保育士のいわゆる事務仕事を削減し、できるだけこどもたちが成長する様子を見る時間を増やせるよう、ICT(情報通信技術)機器を導入する。これにより、園内での情報共有、保護者への連絡、成長記録など、それぞれ手書きで作成していた記録が、ICTを通じて一度入力するだけで、すべての目的で使用可能になる。また、子どもたちの園での様子をICT機器で撮影し、夕方お迎えに来る保護者に見ていただくことで安心感を届けるとともに、家庭を巻き込んだ協働子育ての環境を創っていく。

“あたたかくて”の部分では、公立園であれば4歳と5歳の1クラス約35人定員をIPUこども園では24人までに制限。3歳児も規定では20人1クラスのところを、18人程度で運営する。保育士・幼稚園教諭の負担感を低減し、こどもたち1人1人にかける時間をできる限り多くするための設定である。

“安心できる場所”を提供するためには、園舎の広いオープンスペースを活用する。急な発熱などで、新型コロナウイルスなどの感染症が疑われる際は、即座にこのスペースに仕切りを設置してレッドゾーンを作り、他のこどもたちへの影響を食い止める。ウイルスのまん延を防ぐための空気の入れ替えも、容易にできる構造になっている。園舎は1階建てにより見通しも良く、職員室を中央に配置することで、子どもたちにたえずも職員の目が行き届く環境づくりにも配慮している。

こうした最新かつ細心の配慮が施された園内で、IPUとの連携を最大限生かした保育・教育活動が展開されることになる。

非認知能力、5歳までの教育が人生を左右する

2000年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカのジェームズ・ヘックマン博士は、「5歳までの教育で、人の人生は変わる」と説く。学力やIQといった数値で測れる認知能力よりも、数値には表れないが、粘り強くやりきったり、自分の心を制御できたりする”非認知能力”が生きる上で大事であり、将来の離職率や離婚率、生活保護率、犯罪率といったマイナスの数値は5歳までの教育が左右する、という調査結果も報告されている。IPU・環太平洋大学の大橋節子学長は、こうした研究結果を踏まえた上で、東岡山IPUこども園の保育・教育目標を「命(いのち)輝く教育保育」に置く。

大橋節子学長

大橋学長 これからの時代は、困難な時代に立ち向かえるこどもでないと生き残れません。ですから、私はこの園を小さい頃から非認知能力の養成ができる場所にしたい。自分の人生を開拓して、豊かな人生を追求していこうという、ガッツのあるこどもを育てていきたいと思います。幼児期の教育に手間暇をかけることによって、自分の力で困難を乗り越え、人生を打開できる力を身につけてほしいですね。ICT機器で事務作業が減る分、本を読み聞かせてあげたり、周りにあるものに一緒になって感動したり、保育士から言葉がけをしたりする回数が増えます。そのことで、必ずこどもの成長に良い影響が出てきます。愛情をかけたこどもたちが大きくなり、言葉を獲得し、自己表現をするようになって、潜在能力を伸ばしていく。そうした環境を作り上げることが理想です。

もちろん大学と提携して運営するわけですから、”どんな保育士、幼稚園教諭がいることで、子どもがどのように育つのか”、”幼児期に何をしてあげると、子ども効果的に伸びていくのか”、”将来、本当に豊かに暮らしていけるのか”という部分を追究した上で、こども園のどのような活動が、子どもの成長に有効かをまとめたプログラムも、開発していきたいと思っています。

大学にとっても、地域にとっても新しい取り組みとなる「東岡山IPUこども園」の今後に注目していきたい。

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