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『魔法を使えるとしたら?』学生たちに〝心の革命〟を起こし続ける、自分と向き合うコーチングの「魔法」とは??

「もしも今、自分で魔法を使えるとしたら、何をしたい?」

浦野奈央さんは3年生の冬、佐藤典子キャリアセンター長(特任教授)にコーチング面談でこう聞かれ、自分の思いが、とめどなく口からあふれました。

目次

自分と向き合い、本当にやりたいことを実現へ

浦野 奈央(うらの なお)さん
体育学部体育学科4年、済美高等学校出身
部活:陸上部 種目:走り幅跳び

浦野さん もしも「あなたの夢は?」と聞かれていたら、少し戸惑って、答えに困っていたかもしれません。普通に「魔法を使えるとしたら?」と聞かれて、気がついたら、いろんなことをしゃべっていました。でも、それが『自分の本当にやりたいことなんだろうなあ』と思えたんです。今は、その時に自分でしゃべったことをかなえるため、実現するために、努力しています。

高校1年生の春、浦野さんはインターハイ岐阜県予選の女子走り幅跳びで5m87cmの大会記録を出して優勝しました。周囲の期待は高まり、校内には走り幅跳び専用の練習ピットが完成。3年生になるとキャプテンも任されました。インターハイ県予選3連覇も達成、周囲には順風満帆に見えましたが、本人の思いは全く違いました。

浦野さん 本当は短距離の選手たちに混じって、一緒に練習しているのが楽しかったんですね。記録を出したことで、自分専用のピットができて、練習環境を整えていただきました。でも、同時に周囲の期待が自分にとってはプレッシャーにも感じました。さらに3年生でキャプテンになってからは、幅跳びのピットで練習に集中しなきゃいけないけど、短距離などのほかの選手も気になる。それがものすごく嫌で、追い込まれていって、最後の秋の国体は精神的にギリギリの状態でした。「もう出たくない」って言ったら、親に本気で怒られました(笑)

高校時代最後の国体は、5m36cmの23位と平凡な記録に終わりましたが、「とりあえず出場すればいい。背負うものもなにもない」と開き直って臨んだ結果、逆に「楽しいと思えた」と浦野さんは言います。

様々な思いを胸に、IPUへ進学

走り幅跳びと短距離種目が専門の品田直宏陸上部監督を慕い、IPU・環太平洋大学に入学。新たなスタートを切ってまもないうちに、彼女に試練が訪れました。雨の日、傘をさして青信号の横断歩道を渡ろうとした時に乗用車にはねられ、走り幅跳びの踏み切り足である右ひざの靭帯を損傷。3ヶ月の松葉杖生活、1年以上にもおよぶリハビリ生活を余儀なくされました。

浦野さん 最初に(佐藤)典子先生とお話しさせていただいた時は、ケガをして落ち込んで、何をしていいのか分からない時でした。コーチングに興味があったのと、以前外資系企業で働かれていたことから英語を教えてもらいたいと思って、お会いしました。最終的に自分が次に何をするのかを決めたのは、典子先生に「魔法がかけられるとしたら」と聞かれた時ですが、3年生次のコーチングの授業の時に同年代の学生に話を聞いてもらい、自分が話した内容を深く考え、明確化していくことで、「自分がこうしたい!」というのが見えてきました。

大切なのは相手から答えを導き出すこと

コーチングの実習授業は主に3人組で行われます。「最近の悩み」「将来の希望」といった、佐藤特任教授の提示するテーマに沿って、コーチ(聞き手)がクライアント(相談者)から聞き取りを行い、残りの1人はその会話の内容を書き取ります。

聞き手のコーチにとって重要なポイントは(1)傾聴(クライアントの話に耳を傾ける)(2)質問の仕方(クライアントの本音を引き出す)(3)承認(相手を認める)することです。
コーチの方から「こうした方がいいよ」とアドバイスすることはありません。的確な質問でクライアントの口から、「本当はどうしたいのか」「どうすべきなのか」を引き出すことで、それぞれのクライアントにとっての「答え」が導かれます。このコーチング技法は、社員の能力を引き出したり、適性を見極める手段として、「多くの外資系企業で活用されている技法」と佐藤特任教授はいいます。

経済経営学部 現代経営学科 佐藤 典子 特任教授(キャリアセンター長)

教育学修士(米ワシントン大学)。財団法人国際教育振興会にて日米の文化交流に従事後、グローバル企業の在日本部人事部副部長として組織開発と人材開発を担当。コーチングの国際資格であるPCC、CPCC、ORSC取得。その他にパーソナリティ診断MBTIなど多数の資格を取得。

佐藤特任教授 コーチングの授業を受けた学生が就活で面接に行くと、人事の担当者に「話の聴き方が上手だね」とほめられるケースがあるそうです。話す人の目を見て聞く、うなずく、相手の話を理解してから発言するなど、当たり前のことですが、今はなかなかできない学生が多いようですね。
先日、授業を受けた学生にアンケートを取ったところ、「家族関係がぎくしゃくしていましたが、自分が中立(コーチ)の立場に立って話を聴くようにしたところ円満になった」という回答がありました。また別の学生からは、コーチングの授業を受けて(クライアントの立場で)自分のことを話しているうちに「やっぱり自分はこれでいいんだ!」と、自己肯定感が上がったという話をもらいました。大学のマーチングバンド部は部員が多くて、大会の出演メンバーになるためのオーディションもあるのですが「自分は能力が足りないんじゃない。まだそれが表に出ていないだけだ、と発想転換したら、プレッシャーを楽しめるようになった。それでオーディションに合格できた」という報告もありました。

コーチングスキルで〝心の革命〟を起こし続ける

コロナ禍の前に行われていた卒業式後の謝恩会では、ある一部上場企業への就職を決めた学生の保護者から、佐藤特任教授に直接、「うちの子は、小中高と一度もほめられたことがない子でした。その子が、IPUでこんなに伸びるとは思いませんでした。おじいちゃんも、おばあちゃんも、親戚一同みんなが大喜びしています」とお礼があったといいます。
佐藤特任教授は、米国CTI認定のプロフェッショナル・コーチとして、数多くの大企業で経営者のコーチングなどにあたってきました。そのコーチングスキルを応用し、学生たちに〝心の革命〟を起こし続けています。

佐藤特任教授 経営者はビジネスのプロですから、コーチがビジネスの内容についてアドバイスすることはありません。例えば「どんなリーダーになりたいのですか?」と、かなり大きな範囲で答えが返ってくるような質問を投げかけて、最終的には、次に何をしたいのか、リーダーとしてどうありたいのか、などの答えを、ご自身の口から語っていただきます。そこでカタルシス(心の中にたまっていた負の感情を口に出すことによって、気持ちが楽になる)が起きたり、気持ちの整理ができたりして、自分を前に進ませることができるようになります。グローバル企業の経営者にやらせていただいているのと全く同じコーチングのコンテンツを、学生たちにも提供しています。

コーチングの〝魔法〟で自分にとってベストの選択へ

佐藤特任教授に〝魔法をかけられた〟浦野さんは卒業後、大阪の大学院でスポーツ心理学を学びながら、走り幅跳びを続けることを決めました。大学時代の公式戦で、高校1年生の時に出した自己ベストを超えることはできませんでしたが、メンタル面の強化が、壁を破り、トップアスリートにたどりつく鍵だと考えています。東京五輪の走り幅跳びの参加標準記録は6.82mで、年々基準は上がっていますが、練習を続けながら、心理面の専門的な知識を吸収し、実践的に記録を伸ばしていける大学院進学が、自分にとってベストの選択と信じて、前に進みます。

「将来は、スポーツ心理を社会的に広めたい」と目標を語る浦野さん

浦野さん 2028年のロサンゼルスオリンピック出場が今の目標です。そしてその後は、トップアスリートの心のケアができるスタッフを目指します。アメリカやヨーロッパなどのスポーツ先進国は、国全体でスポーツ心理に力を入れていて、オリンピックなどである国では5人ぐらいのスポーツ心理の専門家を帯同させていますが、日本はまだ1人ぐらいと聞きます。大学院の博士課程まで卒業して、トップアスリートを成長させたり、サポートしたりできるスタッフやスポーツ心理を社会的に広めたいと思っています。

来年も再来年も、コーチングの〝魔法〟で、自分を変身させた学生が、IPU・環太平洋大学を巣立っていきます。

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