[オンライン座談会] 大橋節子学長×5学科代表 IPU生 それぞれの決意と未来。
「コロナ禍で、IPU生は何を感じたのだろう」「IPUにはどんな先輩がいるの?」
そんな疑問に応えるために、5人の学生と大橋節子学長をオンラインでつなぎ、特別座談会を開催しました。
コロナ禍で頑張ったこと。
気づいたこと。
大橋学長(以下は大橋) 最初に、皆さんにコロナ禍で頑張っていることや工夫したこと、気づいたことを教えていただきたいと思います。
丸川 コロナ禍で、航空業界は採用を取りやめ、小売業が打撃を受けるなど厳しい状況の中、就活に取り組んでいます。学内にいるキャリアカウンセラーから「コロナ禍に関係なく、企業は常に変化しています。今、変化を読み取って行動することが、社会に出たときに必ず役に立ちます」と言われ、変化を前にして立ち止まらないことが大切と思いました。このように思えたのは、大学が早期にオンライン授業を始めて、変化に対応する姿勢を見せてくださっていたからかもしれません。
玉川 私は小学校教諭を目指しています。教育実習で、子どもたちと触れ合えない状況になり、ICTを活用した新しい教育のあり方を考えるようになりました。同時に子どもたちと触れ合うことが児童教育の基本であり、大切なことと実感しました。
大橋 素晴らしい観察力ですね。玉川さんが気づいたように、教育は同じ空気の中で触れ合うことが基本です。でも、児童によってはオンライン授業の方が集中できるということもあります。一人ひとりに相応しい学びの環境があるって大切なことですよね。また、丸川さんが言ったように、IPUはコロナ禍でオンライン授業を早期にスタートさせ、独自のノウハウを確立しています。岩崎さんは、オンライン授業をどのように思いますか?
岩崎 オンライン授業は、授業を録画して何度も見直すことができるのが良いと思います。また、コロナ禍で、ハンドボール部で後輩のサポートをする際、これまでのように対面で話をすることができない中、離れていても寄り添う気持ちを伝えるにはどうすれば良いのかを考えるようになりました。
先村 私は、柔道整復師とアスレティックトレーナーを目指しています。コロナ禍で外出が制限されたときから「今の自分の行動は、医療、健康分野の専門家を目指す学生として相応しいのか」と考えて、リスク管理を心がけています。また、陸上競技部短距離の学生トレーナーもしているのですが、以前から、選手がトレーナーを頼り過ぎていると感じていました。コロナ禍を機に、選手が自立するためのプログラムを立案しました。
津野 私は、保健体育教諭を目指しています。昨年の夏の教育実習の話しをします。授業のテーマが「飲酒、喫煙」だったので、「飲酒と喫煙の大学生事情」として、現役大学生の私だからできる授業を行いました。生徒はマスクをしていましたが、キラキラした目で授業を受けてくれたのが印象に残っています。
大橋 岩崎さんも先村さんも、津野さんも、良い体験ができましたね!ところで丸川さんは、就職活動をオンラインで取り組んでいますね。
丸川 コロナ禍で、面接がオンラインになっています。自己アピールの際は、パソコンの向きを変えて光りの当たり具合を調整し、面接官と目線を合わせてオーバーリアクションをするように心がけています。オンライン面接が苦手という人もいるようですが、対面での面接は全身をチェックされるので、オンラインの方が少しは気が楽になると感じています。
大橋 オンラインだから何もかもがマイナスと考えるのはもったいないですね。IPUでは、相手のことを思いやる心や他者と協働する力など「非認知能力」を高めることに特に力を入れています。専門的な知識を「認知能力」としてどちらかに偏ることなく育んでおり、これが毎年の就職実績に現れています。例えば、保健体育教諭は、募集数そのものが少ないのですが、2020年度、IPUでは多数の先輩が採用されています。皆さん自信をもって学び、志に挑んでいただきたいと思います。
5つの施設の
魅力と学びの成果。
大橋 今、皆さんは、在籍している学科と深い関係のある施設から、「DISCOVERY」のラーニングラボにいる私とオンラインでつながっています。各施設のことや感想をお願いします。
玉川 私は、コーチングラボにいます。青年教師塾の模擬授業で使ったのですが、一般教室は先生の視線が気になりますが、ここは、先生の視線が気にならない構造になっているため、授業に集中できて素晴らしいと感じました。
岩崎 私は、「PHILOSOPHIA」にいます。ここは日常の勉強の拠点です。入学する前は、漠然と保育者になりたいと考えていましたが、IPUの先生方と接していて、学生のことを本気で考えて対応してくださる姿に触れて「IPUの先生のような保育者になりたい」と思うようになりました。
先村 私がいる「TOPGUN」は、最新のトレーニングマシンや計測器があり、選手には鍛えの場であり、トレーナーにとっては活動の中心となる施設です。
津野 私は、陸上競技部で「INSPIRE」の「環境制御室」で、高地トレーニングに取り組み、効果を実感しています。
丸川 私は、「PHILOSOPHIA」のIPUシアターにいるのですが、思い入れのある教室は、「DISCOVERY」のプレゼンテーションラボです。プレゼンテーションラボで何度かプレゼンテーションをしたことがあり、私の言葉を2階にいる聴衆にも届けるために、ときどき上を見ながら話をしたときにポジティブな気持ちになり、良い施設だと実感しました。
大橋 「DISCOVERY」のプレゼンテーションラボは、約200人のキャパシティがあるため、かなり迫力のあるプレゼンテーションをしなければならないのですが、丸川さんをはじめIPUの学生は、プレゼンテーションがとても上手です。それは、IPUが聴き手の気持ちになって行動する「非認知能力」を高める学びに取り組んできたからです。ちなみにIPUの「非認知能力」を高める学びのひとつに表現教育があり、玉川さんは表現教育の「レインボーキャラバン」のワークショップに参加したと聞いています。
玉川 「レインボーキャラバン」のワークショップは、小、中学生を対象とした自己表現力の育成を目的とした取り組みで、私は8回、参加しました。対象者が思春期の子どもたちなので、最初は会話が弾まなかったのですが、次第に心を開いてくれて、最後には皆が「また会いたい」と言ってくれました。この経験を通じて、表現教育の大切さを実感しました。
大橋 表現教育は私の研究分野です。玉川さんが表現教育の本質を、心で理解をしてくれたことが伝わってきて感激しています。今、どのような業界であっても非認知能力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力、クリエイティビティに加えて自己表現力のある人が求められています。今日、皆さんの話を聞き、皆さんの豊かな非認知能力、自己表現力を感じて嬉しくなりました。では最後に、目指す人物像を教えてください。
丸川 私は、メーカーの営業職を目指しています。IPUで学んだことを活かして、プレゼンテーション力、クリエイティビティ、対応力のある企業人になりたいと考えています。
玉川 小学校教諭を目指しています。観察力を磨き、子どものベストを引き出せる先生になりたいと思います。
岩崎 保育者を目指しています。何事もやり遂げる人を目指します。
先村 私には陸上競技で全国レベルの妹がいます。彼女の力を引き出すトレーナーを目指しており、柔道整復師、スポーツトレーナー資格の取得を目標に頑張っています。そして、妹と一緒に世界を目指したいと考えています。
津野 地元、高知県の保健体育教諭を目指しています。部活は陸上競技ですが、競技にも全力で取り組み、部活の顧問もできる先生になりたいと思います。
大橋 今日は皆さんの話を聞き、私自身が学ばせていただいたと感じます。豊かな心と知の力をもったIPUの学生は、私の誇りです。IPU生として、今後も知と心を鍛え抜いて、目標を実現しましょう。高い認知能力と豊かな非認知能力を持った皆さんなら必ず実現できます。また、話を聞かせてください。楽しみにしています。