【現代経営学科】呉高専・小倉 亜紗美 准教授 による御講演「世界・日本の水問題」を開催しました
現代経営学科の専門基礎科目「SDGs入門」では、11月22日(火)、呉工業高等専門学校 人文社会系分野 小倉 亜紗美 准教授 による「世界・日本の水問題 ~環境と平和の繋がり~」と題する講演を実施しました。
小倉 亜紗美先生は、世界の国々の水ストレス(水需給が逼迫している状態)の程度と識字率には相関があり、水不足は教育を受ける基本的人権をも侵害していることを多くの図表を用いてお話くださいました。また、戦争は環境破壊を引き起こし、環境破壊がさらなる争いを引き起こしかねないことを、ベトナム戦争や水俣病の事例からわかりやすく説明してくださいました。
10名のベトナム人留学生が、この授業を履修しております。隣に座る留学生と日本人学生の間にある戦争のとらえ方の違い、歴史教育の違いなどをディスカッションするよい機会になりました。
学生の感想・意見の幾つかを紹介します。
今回の講義で、戦争について深く学んでいるかどうか、地方によって差があることを知りました。私は、広島県出身なので、毎年8月6日には登校し、戦争について振り返り、黙とうをするのが当たり前でした。戦争の前後に何があったのか、どういう環境で過ごし、どういう感情で過ごしていたのかを、被爆者の方から毎年直接講義をしていただいていました。被爆者の高齢化が進み、生の声を聞く機会が減っています。若者が受け継いでいかなければならないと感じました。
昔、ベトナムで空からヘリコプターで枯葉剤を広範囲に撒かれ、森林だけでなく産まれてくる子供たちや動物などにも影響があったと聞き、とても残酷だなと思いました。さらに、昔日本がベトナムを占領していたと聞いて驚きました。今、こんなにも日本にベトナムの留学生が多いので、とても考えられませんでした。
(ベトナム人留学生)ベトナム戦争で米国が使用した枯葉剤の影響についても議論されました。環境への影響が徐々に克服されている可能性があります。枯葉剤で荒廃した森林が、徐々に回復し、元に戻っていっています。しかし、人々への影響はまだ残っています。そして、未来にも余波が続いています。戦争の余波は凄くひどいので、平和な世界に向かって、皆の声で抗議することが必要です。
小倉先生が最後に「地球上のすべての人が幸せに生きることのできる社会の構築に貢献する人材になって欲しい」とおっしゃられていました。今世界で起きている問題を他人事にするのではなく、自分が変えるという意識を持っていきたいです。
IPUでは、今後も引き続き、SDGs達成に貢献する人財の育成に努めてまいります。