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実学の成長を。 学生がすべてを運営する 私塾「IPU学習サークル」

IPU・環太平洋大学の学生がすべてを運営する”私塾”「IPU学習サークル」では、宣伝活動、保護者対応から授業まで、運営のすべてを学生たち自ら企画し運用を行っている。

学生がすべてを運営する 私塾「IPU学習サークル」
IPU学習サークルの紹介動画

IPU学習サークルは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一時は対面授業を停止、可能な時はオンラインでの代替授業を実施した時期もあった。そんな中、「以前のように子どもをサークルに通わせたい」という保護者からの要望が高まり、昨秋からようやくオンラインと対面授業を併用するハイブリッド授業の導入へ踏み切った。

目次

対面の授業を始めると大半の児童・生徒が通学を選んだ一方で、オンラインを継続する家庭もあった。

一番の課題は、目の前の生徒と、オンラインの向こうにいる生徒が感じる授業への温度差だった。目の前に先生がいれば、生徒は一定の緊張感をもって授業を受けられる上、わからなければ直接質問することもできる。集中力を欠く様子がうかがえれば、講師がその場で注意して改善を促せる。

一方でオンライン授業に参加する子どもたちへの対応はそうはいかない。細心の注意を払ったとしても、目の前の生徒への注意とは、必然的に大きな差が出る。タブレットを通して実際にはしっかり授業を聞いていても、子ども側が設置する端末のカメラの角度によっては、講師側が『全く聞いていないのでは』と思えたり、見えたりすることもある。授業内容の理解度も、1人の講師では確認が難しい。そこで学生たちの工夫が始まった。

学生たちが考えた”ハイブリット授業”におけるルール

  • 大人数のクラスでハイブリッド授業を行う際は、メイン講師のほかにオンライン担当を配置し、質問やつまずきをリアルタイムで把握する。
  • 少人数の場合には講師は1人だが、7対3でオンライン側に向ける注意の比重を高める。
  • 目の前の生徒よりも、オンラインの生徒を数多く指名し、授業に集中できているかを確認する。

緊急事態宣言時及び解除時の授業運営の方法など、常に子どもたちや保護者の置かれる環境を想定し、現状に合った教育スタイルを、学生たちが実践する中で方針を決めていった。

このような学生たちの工夫の様子を、昨年度から学習サークルを担当する古庄純子主席研究員に伺ってみた。

学習サークルを担当する古庄純子主席研究員

古庄研究員 IPU学習サークルでは学生が、授業も、保護者面談も、子どもや保護者向けの書面の作成も、生徒募集も、入学手続きも行います。『先生になりたい』『教員になった時に、実際にどんなことが起こるかを、学生時代に知っておきたい』という気持ちを強く持った学生が、サークル内のすべてを運営しています。

学習サークルを担当するようになった1年前は、学生たちが「こんにちは!」と挨拶をしても、(子どもたちから)「こんにちは!」と挨拶の返ってこないこともありましたが、今はしっかり元気に挨拶してくれるようになりました。コロナ禍で、子どもたちが消極的になっている部分もあったと思います。最近は、少しずつ「やってみようかな」という積極性が生まれてきたように感じます。日頃から学習サークルを運営する学生たちが、子どもたちが前向きになれるように、「小さな努力を積み上げたら、こんな風になるよ」というような仕掛けを考えてきたからだと思います。

学習サークル内の日常は、実際に教壇に立つ未来の自分

学習サークル内の日常は、”実際に教壇に立つ未来の自分“とリンクする。学習サークルが活動する場所はJR山陽本線・瀬戸駅北口改札を出て徒歩7分の県道96号線沿い。授業開始の午後5時半が近づくと、近隣地域の小学生が集まる。

学習サークルのある日の一幕

授業時間直前、2人の男子児童が教室内をいっぱいに使って、鬼ごっこを始めた。女子児童の宿題を一人一人確認しながら、男子学生が暴れん坊たちに声をかける。

先生(IPU生) 

二人とも(授業の)用意はできてる?

児童2人

できたー!

先生(IPU生) 

ほんとにー?(児童二人に問いかける)

2人の動きが少しおさまり、授業への態勢が整いはじめる。直接的に「鬼ごっこがダメだ」と叱ると、雰囲気が悪くなり、授業に入りづらくもなるが、「(授業の)用意はできていますか」と問うことで、自然と「今は授業の準備の時間をする時間だ」と気づかせ、行動を修正に向かわせる。現場だからこそ体験できる一場面だ。

教科書では学べない”授業の空気の作り方”が実践で身につく

6月16日、国語の授業が行われた。出席者は9人。冒頭の小テストが終わると、「好きな食べ物は?」という誰もが答えられる発問で、雰囲気をなごませる。好きな食べ物から、「寿司」を導き、回転寿司、そして「回転」と「開店」で、この日のテーマである「同音異義語」の解説に入っていく。

例題は、
サイシンのパソコン
サイシンの注意
「最新」をすぐに分かった子どもは多くいたが、「細心」を答えるのは、やや難しかったようだ。それでも学生が、身振り手振りを使って必死に「細心」を説明すると、〝読みは同じだが、漢字と意味の違う熟語〟という肝心な部分を理解し、子どもたちも納得して、新たに配布されたプリントに取り組んだ。

プリントの答え合わせが終了すると、授業時間は残り5分。最後に同音異義語の定義を確認し、この時間は終わりを迎えた。1日の授業がすべて終了し、子どもたちを建物の外で送りながら、お迎えの保護者と言葉を交わした。

授業終わりは必ず授業の反省会を行う

授業反省会の一幕

メイン学生 同音異義語、同音異字の説明を一通り終わらせてからプリントに入るべきだった。(説明が中途半端だったために)プリントの問題で時間がかかってしまった。

サブ学生① 同じ子どもにかたよらず、意識的に違う子どもを指名して答えさせているのがよかった。ほめるのは良いのですが「よく知ってるね」と言うことが多く、もう少し、その時に応じたアレンジを加えられれば。また○○さんのことを指しているのに、××さんのプリントに目線が移っていたのが気になりました。

サブ学生② 回転寿司から入る導入のところはスムーズで分かりやすかった。△△さんと□□さんが、授業の途中で机をくっつけていた。つけて良いのか、離すのか、はっきり言ってあげたほうがよかったのかな。

このように実践の授業を通して反芻する機会を日常にできる環境はそう多くはない。反省会では、教室に入った学生が本音で感想を言い合い、一つ一つの授業内容の向上を目指す。そこには先輩も後輩もない。あるのは、”未来の先生“になるため、あらゆる意見を取り入れ、授業の向上を目指す覚悟だ。

古庄研究員 子どもの反応がどう返ってくるか予想しないまま授業を構成すると、子どもが置いてきぼりになりやすい。私が学生の授業を見るときは「子どものための授業になっているか」を一番に見るようにしています。楽しんでもらうというイメージも大切ですが、子どもたちに「それなんで?」とできるだけいっぱい考え、「勉強って面白いな」また、少しでも「楽しいかも」と思えるきっかけになるような授業を組み立ててほしいと思います。

塾生インタビュー

塾長 三宅悠登さん(4年)

現在塾長を務める三宅悠登さん(4年)に、教員を志したきっかけを聞いた。

塾長を務める三宅悠登さん(4年)

三宅塾長 小学生のころ多くの先生に「三宅君はできるから」と、少し特別扱いされてきた時期がありました。けれど、6年生の時の担任は「できるから、(何をしても、何かをしなくても)良いわけではない」と、いつも親身に接してくださいました。腕相撲もガチンコ勝負でした。結局1回も勝てなかったですけど。そんな先生に憧れ、小学校の教員を志しました。

三宅塾長がIPU・環太平洋大学を選んだのは、小学校の教員を目指すにあたり「どこにもない教育を受けられると聞いたから」だった。偏差値の高い他大学にも合格していたが、IPU・環太平洋大学にあえて飛び込んだ。単に免許を得るために教育実習に行って現場を経験するのではなく、学習サークルや青年教師塾など、授業を含めた学校運営にまつわる様々な実体験を、学生時代に積み重ねられる環境が、決め手だったという。

堀江麻衣さん(1年)

今年4月に入学したばかりの堀江麻衣さん(1年)に教員を志したきっかけを聞いた。

堀江 3年生の先輩の授業を見せていただきましたが、堂々としていて、すでに”本物の先生“という印象でした。プリントに取り組んでいる子どもたちの横にしゃがんで、「これはこうだよ」と、目線を合わせながら教えてあげる姿を見て『私も、こんな風に寄り添ってあげられる先生になれたらいいなあ』と思いました。

学習サークルへの加入を決めたのは、オリエンテーションなどで興味を持ち「授業がうまい先生になりたい」と思ったから。教育実習でいきなり授業を体験するのではなく、1年生のうちから「コツコツと(授業を)実践して(授業の)うまい先生になれるといいな、思いました」という。

学習サークルの今後について

古庄研究員 1年生は、いろんな先輩の授業から、盗めるものを盗んで欲しい。2年生では、自分の授業を客観的に見られるようになれば。3、4年生は、自分の授業が確立されてきているからこそ、挑戦してほしい。常に「自分はこの授業でいいのか」という疑問を持ちながら、日々改善・挑戦できればと思います。

ここ数年の社会的な流れを振り返ると、例えば、今の3年生は1年生の時がちょうどコロナで、大学に通えませんでした。2年生になって少しずつ対面とオンラインが混ざり、授業ができるようになってきたという状況で、当時の3、4年生と比較すると、『まだ幼いなあ』という感じがしていました。そのような中でも学習サークルの経験を通じてでいろんな生徒、学生と話すようになり、一つの責任、一つの重みというのがしっかりわかってきて、たくましくなったかなと思います。卒業して教員になった時に、ここで経験したことが役にたったな』と思ってもらえればうれしいです。

今年3月に卒業した学習サークルのメンバーは4名。そのうち3名が教職員採用試験に合格し、教員としての社会人生活をスタートさせた。残る1人も今年度は臨時採用で教員経験を積み、来年度の正規採用を目指している。

まさに〝教員・虎の穴〟たる学習サークルでは、今日もまた、学生たちのチャレンジが続いている。

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