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【現代経営学科】IPU発の新商品ブランド「IPU Gibier(ジビエ)」〜地域課題の解決へ 現代経営学科⽣たちの挑戦〜

⼈間の都合で奪った命を⼤切にしてくれる⼈のもとへ届けたい

「IPU Gibier(ジビエ)」は、2021年度後期ブランド戦略論を受講した経済経営学部 現代経営学科の学⽣たちの取り組みの中から⽣まれました。学⽣たちは「⼈間の都合で奪った命を⼤切にしてくれる⼈のもとへ届けたい」という想いを込めてこのブランドをつくり、産学連携で新しい商品の企画・開発に挑戦。

授業が終わった後も、継続してブランドを育てていくことを目的としてIPU環太平洋大学サステナブルブランドプロジェクトが結成されました。2022年度前期マーケティング特論を受講した学生さんにも想いが受け継がれ、学生目線でジビエ料理を気軽に⾷べられるメニュー開発や、⾷⾁として加⼯後の⽪を活⽤したジビエレザーの商品づくりなどに取り組んでいます。

「IPU Gibier(ジビエ)」は、経済経営学部 現代経営学科の学⽣たちの取り組みの中から⽣まれた。
目次

『ブランド戦略論』から生まれた”⿅⾰製カップスリーブ” 扇野睦⺒先⽣に「IPU Gibier」の取り組みについて紹介していただきました。

2022年後期のマーケティング総論・ブランド戦略論を受講した学生たちも、地元で駆除される野生動物の利活用に対して関心が高く、衣食住を網羅する商品づくりに挑戦しています。この秋には、「IPU Gibier」ブランドとして⿅⾰製カップスリーブが販売され、⼤きな注⽬を集めています。そこで今回、2021年9⽉から現代経営学科で『ブランド戦略論』を担当し、学⽣たちと「IPU Gibier」の⽴ち上げと商品開発に取り組まれてきた扇野睦⺒先⽣に「IPU Gibier」の取り組みについて改めて紹介していただきました。

この秋には、「IPU Gibier」ブランドとして⿅⾰製カップスリーブが販売され、⼤きな注⽬を集めている。

⼤学の周辺地域が抱える野⽣⿃獣問題への着⽬

シカやイノシシなど野⽣⿃獣が農作地を荒らす被害が全国的に問題になっています。令和4年2⽉の農林⽔産省の発表では、野⽣⿃獣による農林⽔産被害額は、161億円にのぼり、⿃獣被害によって、営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加、さらには森林の下層植⽣の消失等による⼟壌流出、希少植物の⾷害、⾞両との衝突事故等の被害も問題になっています。 環境省による「捕獲数及び被害等の状況等」(令和3年8⽉19⽇現在)によると、捕獲されるイノシシは68万頭、シカは67万頭と年々増加傾向ですが、ジビエ料理として利活⽤されるのはそのうち1割程度であり、⽪のほとんどは廃棄物として捨てられています。 また、畜産業から排出される温室効果ガスや穀物不⾜も懸念され、⽣物多様性の観点でも野⽣動物の利活⽤が注⽬されています。

岡⼭県でもイノシシやシカといった野⽣⿃獣による農林⽔産被害⾦額は、県全体で3億円程度と依然として⾼い⽔準となっています。被害地域は、年々広域化しており、農業者の⽣産意欲の減退や耕作放棄地の増加等が問題となっています。
捕獲された野⽣⿃獣のほとんどは、そのまま焼却されて廃棄されており、岡⼭市だけで約4000頭のイノシシが毎年焼却処分されています。岡⼭市東区にある環太平洋⼤学の周辺も、200m以下の低い⼭が数多くあり、シカやイノシシが⼤量に⽣息し、近年では、畑を荒らすだけではなく、⾞や⼈と衝突する事故も⾒られるようになり、駆除とジビエの消費拡⼤が急務となっていいます。

そこで、2021年9⽉からスタートした『ブランド戦略論』の授業は、このような地元の社会課題解決を⽬的とし、学⽣さんと共に、産学官連携で⼈と動物と⾷に関わるサーキュラーエコノミーに挑戦する取り組みをスタートしました。また、取り組みにあたっては、⽂部科学省が推進しているESD(Education for Sustainable Development/持続可能な開発のための教育)も意識し、ジビエを通じて、命の⼤切さを伝えることも狙いとしました。

ジビエを⾝近に感じられる商品づくりで社会課題の解決へ

2021年度後期『ブランド戦略論』では9グループのうちの1グループがジビエレザーをテーマにしたことから、⼤学周辺で捕獲される害獣の捕獲・と殺・解体の様⼦を実際に現地で⾒学するフィールドワークを計画。 IPU・環太平洋⼤学の1期⽣で、捕獲・と殺・解体業を⾏っている株式会社どんぐり代表取締役 ⽯原佑基⽒の協⼒の元、2021年11⽉にフィールドラーニングを実施しました。

このフィールドラーニングを通じて、「⼈間の都合で奪った命を⼤切にしてくれる⼈のもとへ届けたい」という学⽣の想いを込めたブランド「IPU Gibier」が誕⽣しました。また、レザーだけではなくお⾁や⾻も活⽤したいという考えから、学⽣さんたちが⾃発的にストレッチ⽬標を⽴て、ジビエラーメンやジビエパスタ、ジビエカレーパンの試⾷会を岡⼭市内の企業の協⼒により開催しました。 試⾷会は、『マーケティング持論』受講中の学⽣さんたちが中⼼になって取り組みを進めました。

⾷⽤として使われた後の⽪の利活⽤については、扇野が 2021年4⽉よりジビエレザーやエシカルレザーの普及促進を⾏う⼀般社団法⼈やさしい⾰(所在地:東京都墨⽥区/代表理事:⼭⼝明宏/以下やさしい⾰)の理事メンバーでもあることから⼭⼝⽒からオンラインでご教授いただき、⼈にも環境にもやさしい「ラセッテーなめし製法」で⽪から⾰にアップサイクルしていただきました。

2021年度後期『ブランド戦略論』~フィールドラーニング通じて社会課題と向き合う~

第4回SDGs提案グランプリで優勝

2022年の第4回SDGs提案グランプリでは、学⽣さんが考案したジビエレザーの取り組みと提案がファイナリスト8名のうちの1チームとして選出されました。そして5⽉29⽇に開催された決勝では、「IPU環太平洋⼤学サスティナブルブランドプロジェクト」として、経済経営学部4年の、レフオンリー、ゴーバーオロン、グェンティゴックアイン、⽥中英理、担当講師の扇野睦⺒の混合チームを編成し、「ジビエレザーから始めるサーキュラーエコノミー」と題して、4分間のプレゼンに挑戦。⾒事優勝いたしました。

SDGs提案グランプリのテーマはサスティナブルファッションでしたが、「⼈間の都合で殺された動物たちの命に感謝し、⼤切な⼈のもとに届ける」という学⽣さんが定めたパーパスのもと、傷がある⾰も命の証として⼤切に使うという消費者⾏動を啓発。廃棄物を出さないサーキュラーエコノミーを⽇本から世界に広げ、社会的インパクトのある提案を4分間のプレゼンタイムに盛り込みました。サステナブルファッションのみならず、⾷糧問題、多⼦若齢化国と⽇本消滅問題、ベトナムが抱える男⼥⽐の不均衡という社会課題にも切り込んだ、⽣まれたての⾚ちゃん向けファーストレザーシューズの提案は、国籍、年齢、肩書、性別がバラバラの多様性のあるチーム編成の強みを最⼤限発揮できた内容として評価していただけたのではないかと感じました。

「IPU Gibier」カップスリーブ、東京ソラマチで販売開始

⼤学のある岡⼭市東区の瀬⼾地区で捕獲された⿅⽪をどのように商品化するか。ジビエをもっと⾝近に感じられる商品づくりへ、どのようなアイテムが良いだろうか。学⽣さんと検討を重ね、ジビエレザーの商品づくりは、いつも⼤切に持ち運べるものとして⿅⾰製カップスリーブを考案。ところが、個体差がある野⽣動物ならではの傷や⾊むら、⾰の厚みもまちまちだったため、商品化は⼤変難しい様相となりました。そこで、⽪⾰製品の第⼀⼈者、⾼級⾰製品製造で知られる⼆宮五郎商店(所在地:東京都墨⽥区)代表取締役、⼆宮眞⼀⽒に想いを共感いただき、⾰を知り尽くした技術⼒によってこの度の製品化の実現に⾄りました。

瀬⼾地区で捕獲された⿅⽪は、⼭⼝産業さんが開発した⼈や環境、動物にも配慮した「ラセッテーなめし製法」で⾰にし、⼆宮五郎商店さんの職⼈技によってカップスリーブに⽣まれ変わりました。「IPU Gibier」のブランドが刻印されたカップスリーブはバッグにつけて持ち運べるタイプ。⾚・緑・⻘の3⾊展開で、1個11,000円(税込)。9⽉9⽇から10⽉2⽇までの期間、東京スカイツリータウン・ソラマチで開催される「ecoselect POPUP SHOP」に出店し、たくさんの⽅々から評価をいただきました。

IPU・環太平洋⼤学サスティナブルブランドプロジェクト

「IPU・環太平洋⼤学サスティナブルブランドプロジェクト」は、現代経営学科で『ブランド戦略論』および『マーケティング特論』を受講した学⽣さんが、授業で考案したブランドを継続的に育てるという⽬的で、2021年から活動しています。『ブランド戦略論』を担当する扇野が代表を務め、⽇本⼈学⽣、ベトナム⼈留学⽣、岡⼭と東京のパートナー企業と連携し、産学連携で社会課題解決型のブランドづくりを実践。学⽣さんの問題意識を受け⽌め、⾏動⼒を得て、スタートした「IPU Gibier」の取り組みもその⼀環です。売上⾦の⼀部は、ESD推進の⼀部として、ジビエ料理を通じて命の⼤切さを伝えるこども⾷堂の運営に活⽤します。

IPU・環太平洋⼤学の学⽣発の取り組みとしてスタートしたジビエをもっと⾝近に感じられる商品づくりは、「IPU環太平洋⼤学サスティナブルブランドプロジェクト」として更なる広がりを計画しています。地元の経済紙や新聞、テレビでも取り組みが紹介され、11月12日に東京国際フォーラムで開催される2022年度ブランディング事例コンテストでは、「IPU Gibier」の取り組みがファイナリストに選出されました。

本プロジェクトを通じて、岡⼭にいながら⼤きな夢を抱き、不可能を可能にするために今後も継続して挑戦し、⼩さな実績づくりを通じて実践していきます。今後の展開をお楽しみに!

鹿革製カップスリーブネットショップ販売はこちら↓↓

「IPU Gibier」カップスリーブ販売にあたってのステイトメント

ロゴマークは、シカとイノシシのサークルの中に、太陽、植物、花、野⽣動物でGibierの頭⽂字Gを表し、⽣物多様性を表現しています。瀬⼾地区でのサーキュラーエコノミーに挑戦するため、OKAYAMA-SETOとし、⼈と環境に配慮した県内外の企業・団体とのサステナブルサプライチェーン構築を⽬指しています。

教科書に載る実績をつくり、正しい知識を次世代につなげる。

扇野睦⺒ OHGINO Mutsumi
株式会社ファーストデコ 代表取締役
IPU・環太平洋⼤学 ⾮常勤講師
2021年9⽉からIPU・環太平洋⼤学 現代経営学科でSDGs貢献型の『ブランド戦略論』を担当

「何歳になっても常にキャリアを積み続け、向上していたい」という思いから、結婚・出産後、⼦育てをしながら28歳から32歳までの間、法政⼤学通信教育部経済学部商業学科で学びました。45歳で中央⼤学ビジネススクール(MBA)に⼊学。それに伴い、拠点を岡⼭から東京に移し、100年企業のビジネスモデルイノベーションを研究したことをきっかけに⽇本型サステナブル経営を紐解き、時代から選ばれる企業、地域から愛される企業のプロデュースを⾏っています。

いつの時代も自分らしく学び実践してきたことを活かし、「教科書に載る実績をつくり、正しい知識を次世代につなげる。」という自社のパーパスの元、環太平洋大学で学生さんと共に、産学連携で様々な事例づくりを行っています。授業が終わった後も継続してブランドづくりを行うために結成した「IPU環太平洋大学サステナブルブランドプロジェクト」では、世代も国境も肩書も超えた多様性のあるメンバーで、社会課題を解決する商品・サービスの提案と実践に取り組んでいます。「日本のどこにもない大学」というIPUの開学の想いに則り、「IPU Gibier」に関わるチームでは、野生動物の捕獲・屠殺・解体のフィールドラーニングというなかなか体験することができない命の授業を通じて、ブランドづくりを行っています。授業で誕生したジビエラーメンやジビエパスタ、ジビエカレーパンなどは、一般の方々を招いてのテストマーケティングを兼ねた試食イベントも開催しました。後期の授業では、ジビエレザーを活用したキャンプ用品やエコバッグなどに取り組みたいという学生さんと共に、衣食住を網羅するブランドに成長する予定です。

IPUが目指す非認知能力を養うために、教室の中だけで考える机上のブランドづくりや、テキストに出てくる用語の暗記ではなく、グループワークを通じたやり抜く力、やってみようという行動力、命あるものに対する思いやり、クリエイティビティが発揮できる工夫を凝らしています。短期間で多くの事例ができたのも、学生さんの夢、挑戦、実践を応援したいという地元企業や専門家の皆様のご協力のおかげです。

現在、ブランド戦略論、マーケティング総論、マーケティング特論の3科目を担当していますが、経験の浅い1~2年生でうまく成果がつくれなかったとしても、3~4年生で再チャレンジできる機会もあります。4年後に責任を持つ大学として、時代の変化と一人ひとりの成長曲線に合わせながら地道に成功体験をつくることで、学生さんのこれからの人生がより豊かになるよう願っています。

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