「学び」を「研究」へ-学生と教員が日本ESD学会で多文化共生の実践成果を発表
2026年8月29日(土)・30日(日)、岡山大学で開催された日本ESD学会大会において、本学の教員2名と学生5名が口頭発表を行いました。発表タイトルは、「少数民族の文化保存に対する大学生の理解と多文化共生意識-ベトナム山岳民族の地域資源を生かした商品の販売促進活動を通して」です。

発表の概要
8月30日(日)の分科会で口頭発表を行ったのは、現代経営学科4年の高柳青立さん、同3年の染矢柚奈さん、同1年の田邊優治さん、教育経営学科(通信課程)の秋田恭佳さんと鈴木真理子先生、三垣雅美先生です。高柳さんは3月のグローバル人材育成教育学会九州支部大会に続く2回目の学会発表、他の3人は初めての学会発表でしたが、発表資料をよく練り、しっかりと準備を重ねたことで、堂々と発表することができました。なお、共同発表者のHOANG BAO KHANHさん(現代経営学科4年)は母国ベトナムへ帰国しましたが、本研究への貢献度は大きく連名となっています。






取り組みの内容
本研究は、グローバル化が進む現代社会で求められる異文化理解と多文化共生意識の醸成をテーマに、課題解決型学習(PBL)とソーシャルビジネスを組み合わせたESD実践です。鈴木真理子先生による授業「プロジェクト・ゼロ」では、国際開発救援財団(FIDR)と連携し、主として現代経営学科の学生35名(日本人17名・留学生18名、出身9か国)が「調達→販売→還元」の3段階からなる持続可能な支援の仕組みを企画・運営しました。2026年8月5日・6日に岡山コンベンションセンターで開催された「おかやまSDGsフェア」(出展団体約100、来場者約5,000人)では、ベトナムのコーヒー・紅茶やカトゥー族の手工芸品を販売しながら、商品の背景にある伝統文化や地域課題を来場者に伝えました。山岳民族の現状を紹介する映像は現代経営学科1年の立石瑞季さんが制作し、環境負荷の削減に向けてリユース食器の活用に染矢柚奈さんが尽力しました。
調査の結果
参加学生29名を対象としたアンケートと振り返りの自由記述を分析した結果、93.1%の学生が「授業の前後で自分の考え方や行動に変化があった」と回答しました。自由記述からは、「異文化理解」「少数民族文化への関心」「支援対象の捉え方」「消費行動と国際協力のつながり」「多文化共生意識」の5つの学びが整理され、少数民族を「助けられる存在」ではなく「文化・技術・地域資源の担い手」として捉え直す支援対象観の変化や、商品の購入・販売を国際協力・文化保存・地域課題への関与として意味づける消費行動の変化が確認されました。


質疑応答と今後の展望
発表後には、FIDRとの連携の在り方やベトナム山岳民族の社会的な位置づけ、他国の文化を扱う企画への発展可能性など、多岐にわたる質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
今後も学内国際交流拠点IPU Global Hubの活動を活発に展開しながら、これらの教育実践の成果を学術的な視点からまとめて、学会発表や社会への発信につなげていきます。







